箸が上手に使えることは日本人としてマナーですね。3歳頃になると、自分でやりたい意欲が増してきます。子供が箸に興味を示し始めたら、箸の練習を始めましょう。この時から8~10歳までの親のしつけが大切ですよ。8~10歳は、児童期から思春期へ、子供が心身とも大きく変わる時なのです。その子の基本的な考え方や行動パターンが決まる時期なのです。

「箸使いが上手な人」=「マナーが良い人」と見られる?

日本では昔から、箸の使い方、運び方ひとつでその人の性格、品格、育ちまでわかるといわれ、厳しく箸の作法をしつけられてきたものです。例えば、人を不快な気持ちにさせる箸使いは「嫌い箸」といい、無作法とされていました。

箸使いや、箸運びで人を判断するなんて厳しすぎると思いますでしょうが、実際のところ、あたらずといえども遠からずで、やはり箸の使い方は、その人の品格が表れるものなのです。たとえ伝統的な箸の作法(マナー)を知らなくても、食べ物を大切にする心や、料理を作ってくれた人に感謝、一緒に食べる人を不快にさせない思いやりなどは、自然と食べ方や箸使いに表れてしまうからなのです。

こんな箸使いしている人いませんか?

8~10歳にもなってこのような箸使いでは、子どもがかわいそうですよ。
よく見られる箸使いのタブーを3つあげてみましょう。

こみばし(箸で口の中に詰め込むように食べること)

こみばしをしている子供は、食べ物をきちんと嚙まず、飲み込んでいます。人は噛むことによって、栄養の消化吸収をしています。これは健康にもつながります。そして、作られたものをきちんと口の中で味わうことで、いろいろな味覚を覚えていくのです。マナーだけでなく、食に対する感謝も教えていきたいですね。

さしばし(箸で人や物を指すこと)


箸で自分のこと指されてみてください。不愉快になりますよね。箸を振り回す人がいますが、
危ないですよね。これは、マナー違反だけでなく、周りのことを考えない自己中心的な性格とみられてしまいますよ。

ねぶりばし(箸の先をなめること)

食事中にお箸をなめる行為はすべて、ねぶりばしといいます。お箸が乾いていると、ご飯粒がつきやすいですね。汁物からたべて、箸先をぬらしておくといいですね。箸先1寸(約3センチ)を使ってたべられるのが理想ですよ。マナーだから、といって厳しすぎるのも食欲がなくなってしまいますが、誰もが心地よい食卓にしたいものですね。

家庭での食卓は、子供が人間らしく育っていく重要な環境でもあるのです

日々の食卓でのあいさつや姿勢、食器や箸の持ち方、食べ方のマナー、家族のコミュニケーション、家族の絆などは、食卓から学んでいくのです。8~10歳ころまでの食卓での習慣が、その子の基本的な考え方や行動パターンになってしまいます。

未来を担う子供たちのマナーやしつけを、家庭の食卓から始めましょう。