固形ルゥを作ろうと言われても、きっとイメージがつかないですよね。しかし、市販されている固形ルゥの原材料をヒントにすれば簡単に作ることができるのです。インドからイギリス経由で日本に伝わったカレーは、この国で独自の発展を遂げました。日本のカレー文化に大きく貢献した固形ルゥのヒミツをちょっぴり垣間見てみましょう。

ご家庭では4つの原料に絞った固形ルゥを

では早速、市販の固形ルゥの原材料を見てみましょう。原材料にはたくさんの原料が並んでいますが大きく分けると、油脂・小麦粉・カレー粉・うま味を補うもの(うま味調味料や野菜など)の4つになります。カレー=カレー粉だけではないことがわかりますよね。

とろみをつけるための小麦粉は日本の“お家カレー”には欠かせない原料の1つですし、これだけ多くの原料が使われているからこそ固形ルゥを使ったカレーは誰でもおいしく作ることができるのです。しかし、これだけ多くの原材料をご家庭で揃えることは大変です。

4つの原料に絞ってみましょう。小麦粉・バター・オリーブオイル・カレー粉、この4つなら近所のスーパーで揃えることができますね。ちなみにインドでは、小麦粉を使ってカレーにとろみをつける技法は無く、小麦粉を使ったものはシチューとして区別されています。

手作り固形ルゥにはバターが入るので冷やせば固まります

固形ルゥの作り方

<材料>
薄力粉 100g
バター 50g
オリーブオイル 50g
カレー粉 50g

<作り方>

  1. バターとオリーブオイルを鍋に入れて火にかけ、バターを溶かす。
  2. バターが溶けたら、小麦粉を加えよく練る。(約10分)
    ※焦げないように注意しながら、火加減を調整する
  3. うっすら色づき始めたらカレー粉を加え、よく練る(約3分)。
  4. 全体が均等になったら保存容器に移し冷蔵庫で寝かせて完成。

最初から最後まで、焦げないように注意してください。もし、焦げそうになったらいったん鍋を火から下ろし少し冷めてから再び火にかけます。

あれ、何か忘れていますよね?そう、うま味を補う原料がここには含まれていません。うま味は、料理の過程で加えていきましょう。カレーをおいしくする、とっておきの隠し味をご紹介します。

ご自慢の隠し味は?決まり事などありません。色々試してみましょう。

カレーをおいしくするとっておきの隠し味2選

<GGペースト>
ginger(生姜)とgarlic(ニンニク)の頭文字をとってGGペーストと言い、日本にあるほとんどのインド料理屋さんには常備されているくらいおいしいカレーを作るために威力を発揮します。作り方も簡単で、生姜とニンニク同量と少しの水をミキサーにかけペーストになったら完成です。使い方は野菜や肉を炒める時の初期段階で鍋に加え香りを出します。

<みりんとお酢>
日本の調味料、みりんを使った隠し味はお酢と一緒に使います。同量のみりんとお酢を鍋に入れて火にかけ、みりんに含まれるアルコール分を飛ばしたら完成です。こちらは、GGペーストとは逆で仕上げに使います。仕上げのカレーにもの足りなさを感じたら少しずつカレーに加えてみましょう。カレーの味に深みが生まれます。

うま味や足りない味を補うのが隠し味のポイントです。あくまでも隠し味、入れすぎには要注意。読者の皆さまにも、ご自慢の隠し味はありませんか?ご自慢の隠し味とともに、おいしいカレーを作ってみてくださいね。