豚カツにはソースと和ガラシがマッチしますが、一方で、甘辛い和だしと溶き卵を合わせたカツ丼もまた、抜群においしい。この二つの名メニューをコラボした新メニュー「豚カツソースあんかけカツ丼」をご提案しましょう。

とろりあんかけがカツにしっとり

発想のヒントになったのは、小樽で食べた「あんかけ焼きそば」です。麺にとろみのあるあんをたっぷりとかける北海道・小樽の人気ローカルグルメですが、味のベースにソースを使っている店があり、「この熱々ソースあんを豚カツにかけるとおいしいのではないか」と、ひらめきました。それもカツ丼にアレンジすると、意外性があって面白い。熱々の「豚カツソースあんかけカツ丼」です。

「ソース×豚カツ」の好相性を考えると、カツ丼をソース味にしておいしくないわけがない!

作り方は、鍋にカツオだし、みりん、そして、豚カツソースを合わせ、玉ネギを入れて煮込み、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、溶き卵を入れてひと煮立ち。あとは普通のカツ丼と同様、ご飯の上にのせた豚カツにこれをかけ、三つ葉を添えれば完成です。

とじた卵がカツにしっとり絡む

豚カツソースだけでなく、カツオだしも合わせて味付けすることで、優しい和のうま味が加わり、溶き卵×ソース×豚カツの三つの味を絶妙にまとめてくれます。通常のカツ丼にかかっているだし汁は、衣がびしょびしょになってしまうのが少々残念な点。でも、とろりとしたあんかけ状なら、カツに汁が浸透せず、しっとりと味が乗ります。

粘度のあるソースあんは、衣をびしょびしょにしない点も◎

何より、「カツ丼もおいしいけど、カツといえばやっぱりソースでしょう」というニーズは、意外と高い! 加えてソースのあんかけというのは少しB級風の味わいで、クセになる独特の魅力があります。ソースがふんわり香る熱々のあんをかけたカツ丼は、店の名物料理になるのではないでしょうか。

◇外食レストラン新聞の2019年6月3日号の記事を転載しました。