「平成に流行ったスイーツトップ10」なる特集がさまざまなメディアで組まれています。真っ先に私の頭に思い浮かんだのはナタデココでしたが、ある調査ではトップ3。別のテレビ番組ではトップ10にも入らず。トレンドの変動が激しい日本なので、平成の初旬に流行ったものは記憶に薄いのかもしれません。スイーツのトレンドを眺めても日本人の食べ物のとらえ方の変遷が垣間見えます。まずは、思いつくまま平成に流行ったスイーツを挙げてみます。

平成初期は新しいスイーツが続々誕生

パンケーキ、とろけるタイプのプリン、マカロン、バウムクーヘン、シュトレン、エッグタルト、ティラミス、抹茶スイーツ、ひと巻きロールケーキ、ギリシャヨーグルト(スイーツ?)、タピオカ、マンゴープリン、とろける杏仁、かき氷、チョコレートタワー、チョコフォンデュ、パンナコッタ、クレープ、カヌレ、ベルギーワッフル、生キャラメル、生チョコ、やわらかドーナツ、ポップコーン…、う~ん、まだまだありそうですが、キリがないのでこのへんで。

ティラミスやナタデココが流行ったのは平成初期です。当時の流行りは全国的でした。ティラミスもナタデココも全国民が一回は口にしたことがあるのでは? と思ってしまうくらい一世風靡しましたよね。

ナタデココは、輸入された缶詰がスーパーに山積みされていて、午前に積み上げ夕刻には完売したことを覚えています。コリコリした食感が新しくさまざまな外食デザートメニューに追加されました。

ティラミスの発売は1990年ですので、平成の誕生とともに生まれたスイーツといえます。こちらも外食のドルチェとしてだけでなく、カップ型のものやティラミス風味の別のスイーツなどさまざまなシーンで愛されました。

イタリア料理の普及とともにドルチェの存在もトレンドになったのだと思います。双方が流行った当時は、日本人にとって新しいスイーツであることが求められたのだと思います。

近年のトレンドは安心感のあるスイーツ?

しかし近年では、むしろ逆傾向です。ロールケーキ、パンケーキ、かき氷など「以前から食べたことがあるし、知っているスイーツ」を進化させて流行る傾向です。ある程度は味が想像できて安心しますし、知っているものに新しさを感じる楽しさ。将来が見えにくい現代では、スイーツにも安心感や確実性などを求めるのかもしれません。

最近ではタピオカが人気です。こちらも「新しいもの」のようでいて、実はタピオカブームは3回来ています。今の特徴は大きな粒になって、スプーンではなくストローで吸えるスタイルになったこと。片手で歩きながら食べられるスイーツに進化して人気になっています。より利便性を追求していく傾向も近年の趣向に沿っていると感じます。

次の年号は「和スイーツ」に期待!

それにしても、圧倒的に「和スイーツ」が少ないですよね。ちょっと寂しい。次の年号では、伝統的な和のスイーツにも心を寄せながら、また、和菓子の進化形なども増えたらいいな、と思います。そして、トレンドを楽しむとともに、地道に長く作られてきたスイーツにも尊敬をもちつつ愛していきたいです。

次の時代には何がくるのでしょう? スイーツは笑顔を作る魔法。今からワクワクしてしまいます。