どこの国でもお祝い事には国旗が高々と掲げられ、顔にも国旗ペイントを施します。オランダでは国旗のトリコロールカラーに加えてオレンジ色が国旗色以上に街や人々を彩ります。オランダ国王の誕生日には、お祝いするケーキがオレンジ色に変わります。例えば写真のミルフィーユ。普段はピンク色のコーティングですが、この日だけはオレンジのコーティング。飾りも王冠をかたどった、チョコレートですね。

オランダ王室の色はオレンジ色

オランダでオレンジ色が好まれるのは、オランダ王室に由来します。1815年に即位したウィレム1世がオラニエ=ナッソー家であることから、オラニエ(オレンジ)家を称える色として、19世紀の初めにオランダ王室象徴及び王室への敬意を表す色となり定着しました。

現在も続くオラニエ家オランダ王室は、国民支持率が高く現在でもなんと70%の国民から愛されています!このためオランダ王室の行事や、王室の方々の誕生日はもとより、サッカーやオリンピックをはじめとする様々な国際競技等でオレンジ色の衣装を身にまとうプレーヤーやサポーターが登場します。

テレビなどで、見かけられた方も多いのではないでしょうか?老若男女、派手なオレンジの衣装を身にまとった世界一長身の国民オランダ人って、目立ちますよね。

フリーマーケットの様子。今年は寒かったので、あまりオレンジの衣装が見当たりませんね。

4月27日の祝日にはフリーマーケットも

国民支持率の高いオランダ王室。現在の国王の誕生日は4月27日で、この日は祝日。国中がオレンジに染まります。年に一度、無許可でフリーマーケットを開催することができる日でもあり、この日を待ちわびている国民はこぞって国王の誕生日をお祝いしながら、家庭にある不用品販売に精を出します。

また、出展しない人たちも、フリーマーケットの見学に行ったり、朝から気の合う仲間と集まってパーティーをしたり。この日、街はオレンジの旗が飾られ、民家の軒先には国旗とオレンジのリボンを掲げます。このリボンは王室関係の方々の誕生日やお祝い事の日にのみ、国旗と共に揚げられます。

フリーマーケットの様子。国旗と共にオレンジのリボンが見えますか?

我が家のオレンジメニューは

この日はカップケーキやチョコレートなど、地方や嗜好によっていろいろなお菓子があるようですが、私は毎年ミルフィーユです!ケーキ以外の食事では、皆さん好きなものを頂いているようで、特別な伝統食は存在しません。

とは言え、せっかくのお祝いの日ですから 我が家では、毎年オレンジ関係の夕飯を頂きます。と言っても簡単な物です。今年は子ども達も友達と出かけ留守で、代わりに友人が遊びに来てくれました。そこで作ったのが、鶏肉のオレンジソースがけプレート。

我が家のオレンジメニュー

作り方は非常に簡単で、粗いみじん切りの玉ねぎを炒めてオレンジジュース、白ワイン、砂糖少々、塩コショウ、を加えて味を調えたら、水溶き片栗粉を入れてとろみをつけたソースを焼いた鶏肉の上にかけるだけ。

付け合わせは、ソテーしたジャガイモ、豆のサラダ、そしてニンジン、キャベツ、サラダ菜のサラダ。デザートは、市販のオレンジムースのオレンジソースかけで。

市販のオレンジムース。日本より甘めです。ムースにかかっているソースが、何となく王冠っぽいですよね?