麺もスープもないけど味はラーメン!? 喜多方のラーメンスイーツ【7月11日は、ラーメンの日】
実は、ラーメンはそれほど好きではない調味料研究家の松本葉子です。でも福島県はとっても好きでよく訪れます。その福島県の名物のひとつが言わずと知れた喜多方ラーメン。
おりしも7月11日はラーメンの日。これは一般社団法人日本ラーメン協会が制定したもので、ラーメン産業の振興・発展とともに、日本独自のラーメン文化を支えるのが目的とのこと。また7をレンゲ、11を箸に見立て、かつラーメンを最初に食べた人物といわれている水戸光圀の誕生日にちなんで、この日になったのだそうです。
これはもう喜多方ラーメンの食べ方の記事を書くしかない! と勇んで福島にでかけたものの、案の定ラーメンは1杯でギブ。その代わり(?)に瞠目(どうもく)すべきラーメンスイーツに出会えたので、ご紹介します。
まずは喜多方ラーメンのおさらいからスタート
喜多方のラーメン店の団体「蔵のまち喜多方 老麺会」の解説によると、喜多方ラーメンとは基本的には醤油味ベースで太めの平打ち熟成多加水麺を使ったものといえるけれど、実際の味は店によって千差万別なのだとか。
というわけで、喜多方ラーメンで最も有名な店のひとつ「坂内食堂」で朝からラーメン「朝ラー」をしてみました。
これほど澄んだスープなのにけっこう骨太な味。ラーメンフリークではない私も大満足の喜多方ラーメンでした。「これは醤油味の喜多方ラーメンも食べてみないと」と思ったけれど、もう食べられない…そこで「ラーメン神社」で休憩することに。
ラーメン神社の新名物「喜多方ラーメンソフト」はラーメン後の正統派デザート
神社という名称ではありますが、実際は「喜多方ラーメンミュージアム&喜多方ラーメン神社」という観光施設。ここに昨年登場したのが「喜多方ラーメンソフトクリーム」です。
最初は「どうせウケ狙いでしょー」と言いながら購入したのですが、一口食べて思わず出た言葉が「スミマセンでした…!」。ラーメンの麺を模した形に絞り出されているクリームは、醤油の風味と乳製品のコク、そして甘さのバランスが絶妙です!
スタッフの方にそう伝えたら、「これはもともと喜多方でラーメンを食べた後のデザートに楽しんでもらいたいと開発されたんですよ」とのこと。それを聞いていた他のお客さんも「確かにラーメンの後に食べておいしい!」と絶賛でした。
基本は喜多方ラーメンにも使われている醤油を使ったソフトクリームなのですが、普通の醤油ソフトとはちょっと違うポイントがあります。
この喜多方ラーメンソフト、購入すると、「そこに置いてあるトッピング用の乾燥ネギと粗びきコショウをご自由にどうぞ」と言われます。重ねて「粗びきコショウがおすすめ! ぜひかけてみてください」とも。
コショウを使ったスイーツは食べたことがありますが、ソフトクリームのような軽いものに粗びきコショウは強すぎるのでは? と思ったのですが…これまた予想を裏切って、とってもよく合います。きっとこのあたりも考えた上で味が創られているのでしょう。
喜多方ラーメンを食べた後に、喜多方ラーメンソフトでリフレッシュ、そしてまた喜多方ラーメンを食べる――これが正式な喜多方ラーメンの食べ方になる日も近いかも? とすら感じさせる実力派のラーメンスイーツです。
「ら~めん大福」を買うために道の駅にやってくる人が多いって本当?
そして次に見つけたのは、やはり喜多方市内にある「道の駅 喜多の郷」での一品「ら~めん大福」です。この商品を目当てにはるばるやってくるという噂を聞きつけ…結論から言うと、噂は本当でした。道の駅のスタッフさんによると「今日はちょっと涼しいからまだ残っているけれど、すぐに売り切れになる日も多い」とのこと。
「蔵の雪 喜多方ら~めん大福」は、喜多方市の「お菓子のヤマグチ」と「道の駅 喜多の郷」のコラボレーションで生まれたラーメンスイーツなのでした。
冷凍で販売されているので、30分程度常温で自然解凍してからいただきます。柔らかくなったところでとりあえず割って見ると……ホイップクリームと白あん?
食べてみると……甘じょっぱくて、ラーメンの味がする!! コショウも効いているよ??
「FMきたかた」のスタッフが厳選した、喜多方だけで販売される隠れた名品を紹介するWebサイト「FMきたかたセレクトショップ」の「お菓子のヤマグチ」のページで調べたところ、「ふるさと亭売店のお土産として人気の喜多方ラーメン。その醤油スープで炊きあげた餡とホイップクリームをぽっちゃりやわらかな餅で包みました。」(引用)
読んだだけだと味が伝わりにくいと思いますが、口の中にラーメンで作った生キャラメルが出現する感じ…って、余計にわかりにくいですか?
とにかく生クリームと餡とラーメンスープの組み合わせ、最強!
外側の餅部分にはホワイトペッパーが振ってあってナルトがくっついています。これがまた良いアクセントなんですね。うーむ、喜多方のラーメンスイーツは奥が深い。
喜多方のラーメンスイーツにインスパイアされて自分でも作ってみた
ラーメン後のデザートにぴったりで、食べればまたラーメンが食べたくなるラーメンソフトクリームや、ラーメンスープで味付けしたインパクトのある大福に出会ったことに刺激を受けて自分でも作ってみたのがこちら。
おみやげ用の喜多方ラーメンについていた濃縮スープをレアチーズケーキにのせてみました。チーズの酸味が抑えられてコクが深まり、なかなかいけますよ~! 白ワインにもよく合うし!(自画自賛)
ラーメンの街・喜多方のラーメンスイーツは、決してゲテモノ狙いでもウケ狙いでもなく、喜多方の人たちのラーメンへの愛から生まれた逸品。むしろ喜多方ラーメンの食べ方のバリエーションのひとつと言ってもよいのかもしれません。
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