冷蔵庫の余りもので、「フードロス」解決の一助を–。一般社団法人フードサルベージはこのほど、家庭内で持て余しやすい食材を使っておいしくて見た目にも優れたスイーツを作って楽しむ「Rethink! Food Loss Colorful Sweets Party」を東京都内で開催した。スーパーフードの第一人者として知られるWOONIN氏らが捨ててしまいがちな食材を使用したレシピを実演形式で紹介、料理やフードロスに関心の高い主婦が多数参加した。

まだ食べられるものが捨てられてしまう「フードロス」問題は、国内でも社会問題として注目されている。会場で同法人代表の平井巧氏は「日本の家庭内でのフードロス発生率は全体の50%以上に上る。これは1人当たり1日におにぎりを一つから二つ捨てているのに相当する」と現状を説明した。

イベントには、同法人公認シェフの高田大雅氏、スーパーフードを日本に広めた第一人者のWOONIN氏、管理栄養士の佐藤小夜子さんの3人がゲストシェフとして登壇。

会場では第一人者が実演形式でレシピを紹介した(写真はスーパーフードで知られるWOONIN氏)

高田氏は余りやすいニンジンを季節感のある柿と合わせ、「人参と柿のシトラスマリネサンド」の作り方を実演。油揚げとナスやピーマンを使った「洋風いなり包み」「南瓜のフレンチサラダ」と合わせたオリジナルの「Rethinkフードロスプレート」を紹介した。

WOONIN氏は、家庭で余りがちな野菜をメーンに使ったスムージーを紹介。キュウリやレンコン、サツマイモなどを果物と合わせ、「レンコンは腸内環境を整える効果や、脂肪燃焼作用がある成分が入っている。余りがちな野菜には健康や美容に効果があるものばかり」と説明した。

佐藤氏はブロッコリーの芯を使った豆乳プリンや、カボチャの種とニンジンの皮を使ったクランブル、麩を使ったフレンチトーストを紹介した。いずれもメニューも意外性に富んだものとして参加者から驚きの声が上がった。

同イベントは「JT Rethink PROJECT」が協賛。家庭での食材の使い方を見直すことが、フードロス問題の解決につながることをより多くの人に伝えることを目的に開催した。

同団体では「今までフードロスは一部の意識的な人々の間で問題提起されてきたものの、一般家庭の人々にとっては規模の大きさから、考える・向き合うきっかけが少なかった。一見すると深刻さが際立つこの問題を、もっと楽しくポジティブに『自分ゴト』としてとらえられるきっかけづくりとしたい」としている。

◇日本食糧新聞の2017年12月4日号の記事を転載しました。