人は子どもを持つと、誰でも魔法使いになるんじゃないか、なんて本気で信じているテミタ夏です。今回はセガレの苦手な食べ物にかけてきた、おいしい魔法についてのお話です。
テミタ家の場合、セガレが一番大好きなのがお肉、お魚です。唐揚げやとんかつなど、洋食屋さんメニューの時に残りがちなのが「キャベツの千切り」。

もう一口、あとちょっとだけ頑張って!

お肉などと一緒に食べると、食感やうまみとともに、おいしさを増幅する良い付け合わせだと私は思うのですが、セガレの目には・・・

「野菜ドーン!げげっ!」

って見えるみたいで、このゾーンだけ、なかなかお箸が進まないことが多いです。この日は「豚こまの唐揚げ定食」といった具合のメニューになりましたが、案の定20分後にはこんな感じになりました。

見事です、ばっちり残っています。このままではこのお野菜、食べてもらえません。

もう無理かな、と判断することもありますが、ここで「もう一口、あとちょっとだけ頑張ってみようかな」と言う気分になってもらうために使うのが、

「あとちょっと!マジック」

残っちゃいそうなお料理に、もう一度おいしい魔法をかけましょう。大丈夫、みーんなが魔法使いになれます!テミタ流の魔法には根拠も種も仕掛けもアリアリですから。

野菜は「海苔」魔法でうまみ増幅!

野菜は苦手でも「のり」はどうでしょうか。好きな子が多いと思います。実は海藻はタンパク質のかたまりです。海苔が持つ「たんぱく質のうまみ」と、「野菜のうまみ」で相乗効果を狙います!

千切りキャベツ、おひたし、サラダなど、残りそうだったら「海苔巻き」にしてみましょう。

大きめのフラットなお皿を持って来て、その場で巻いてあげても良いし、別のお料理みたいに変身させてから「じゃーん!」と登場させても楽しいですね。お醤油をちょっぴりつけて、「お寿司のフリ」も面白いですよ!

海苔はとっても風味豊かです。野菜の苦手な部分を包み込んでくれるので、「ちょっと苦手」くらいのレベルなら、たっぷりギュッと巻いても大丈夫。海苔は手ごろな大きさに切ったものを使いますが、野菜の苦手度に応じてのりを多く、野菜を少なくするなど、加減してあげると良いでしょう。

巻いたらまず親御さんから食べてみせるのも効果的です。

「なにこれ、うま!…食べる?」

さっきとは味が違うよ!とさりげなくアピールを!この日セガレはこのキャベツ海苔巻きを3つ作って、キャベツの山を平らげました!百点満点!

スープ、汁物は「ごま」魔法で風味を変えて

お味噌汁、うどんなど汁物が残っちゃうこともありますね。特に和食の麺はさっぱりスッキリのおだしが身上ですが、子どもには飽きやすいかも知れません。食べ始めと比較して、ペースが落ちたら魔法の出番!

「魔法、かけてみよう!」と、おごそかにごま油をぽとん…ほんの数滴で風味がガラッと変化します。この時いかにも「魔法をかけますよ~」みたいに

「おいしくな~る、おいしくな~る…」(笑)

ごま油がなければ、いりごまを指先でひねって振りかけてあげる手も。本当に「魔法の粉」を振っているみたいに見えるかな?

どれが効くかな?アレンジ魔法を探そう!

「チーズ大好き」の子におすすめはチーズ魔法。スープやサラダに粉チーズをフリフリ、スライスチーズで生野菜を巻いたり、逆にレタス類でキャンディチーズを巻いてもおいしい!

かつお節、ゆかりも野菜とよく合います。ごま油以外のオイルでもいいし、ちょっと荒業ですが納豆と混ぜる、ねばねば魔法もおすすめ!ほうれん草のおひたしなど、ぴったりです。

一つでも多く食べてほしい

最初から「子ども好み」に作ってあげることも大事ですが、お料理本来の食べ方やおいしさを伝えることも必要かな、って思うわけです。

「いろんな食べ方」があって、「定番のスタイル」がある。これを何となく理解できるような食事を大切にしつつ、しっかり食べてもらうための方法として考え、実践してきました。

お料理が残りそう、「さて、どうしよう」となったときは、台所を見渡してみましょう。最後の最後、「おいしくなりますように」と願いを込めてお料理するのが「あとちょっと!マジック」。お子さんの好みに合わせた魔法を探してみてください!