熊本県熊本市在住のたべぷろ編集部員・涼野リノです。大分で生まれ育ち宮崎で学生時代を謳歌し、東京の荒波にもまれ、帰ってきた九州・熊本の地で感じた各地での「食文化のちがい」を発信中。今回は私の愛してやまない宮崎の「レタス巻き」をご紹介します。

年4回の節分は巻寿司の日♪

この「巻寿司の日」は食品メーカーの「あじかん」さんが設定したステキな記念日。節分に巻寿司を食べて福を呼び込む、という通説をもとに、節分の日を巻寿司の日と定めています。節分とは本来、2月3日の立春だけではなく、立夏・立秋・立冬といった季節の起点となる日の総称なのだそうですよ(筆者は初めて知りました…)。

ひとくちに巻寿司と言っても結構いろんなバリエーションがありますが、大分・宮崎を故郷とする筆者にとっては「巻寿司=レタス巻き」というくらい刷り込まれていることもあり、巻寿司の日に際しまして今回はレタス巻きを取り上げてみました!

【熊本市のとあるスーパーにて】筆者に言わせていただくと「レタス巻きもどき」なのですが・・・宮崎・大分以外でよく見るのはこのタイプの「サラダ巻き」

レタス巻き?サラダ巻き?

スーパーのお惣菜コーナーで目にする、レタス(あるいはキュウリ)や玉子、ツナやカニカマが巻かれている中巻き寿司は「サラダ巻き」として知られ、最近はコンビニにも並んでいたりしますが・・・皆さん食べたことはありますか?

実はこのサラダ巻き、発祥は宮崎県のとあるお寿司屋さん。発祥の地・宮崎県では「レタス巻き」と呼ばれ愛されています。(ちなみに宮崎県に隣接している大分県でも同じように「レタス巻き」と呼ばれて売られています)

筆者は幼少期よりレタス巻きが大好きで、大分市内のスーパーなら大抵どこでも売っているのを目にしていたので、いなり寿司のように「全国区」なメニューだと思っていました。しかし大学進学で宮崎県へ移住した際に初めて宮崎のローカルメニューだと知り、「なかなかやるな、宮崎」と上から目線な謎の賞賛を送ったことを覚えています。

【宮崎市のとあるスーパーにて】関東で言う助六寿司ですね。レタス巻き推しの宮崎

発祥の地・宮崎のレタス巻きとは

宮崎にはレタス巻きを開発した老舗のお寿司屋さんがあるのですが、その味の始まりは、さかのぼること40年前。当時のお寿司文化では異色・異端とも言われた「お寿司にマヨネーズ」というアイデアを、美味しいと思えるものを提供するという信念を持って作ってこられたおかげで今があります。

本来のレタス巻きの具は、エビ、レタス、マヨネーズ。最近では卵焼きが入っていたり、エビがカニカマやツナにアレンジされたものもありますが、昔ならではのレタス巻きはいたってシンプル。

ちなみに筆者が大分にいたころ食べていたレタス巻きの具はカニカマでしたが、宮崎に住んでいる間はエビだった記憶がよみがえってきました。プリプリのエビが入ったレタス巻きは、酢飯や特製マヨネーズのサッパリ感も相まってか、暑くて食欲が落ちがちな季節でも食べやすいですよ。

レタス巻きはサラダ巻きのご先祖様!

筆者が大分、宮崎を離れて初めて知ったのはサラダ巻きという呼び方。パッと見では両者の違いは分かりにくく、そもそも中身にも違いがなく呼び方が違うだけだったり・・・と「レタス巻きとサラダ巻きの違いって何なんだろう」という素朴な疑問がありました。

しかし今回の取材で明確になったのは、レタス巻きはサラダ巻きというジャンルありきで発生した個別メニューではないということ。むしろ「お寿司にマヨネーズ」をかけ合わせた先駆者で、他者のアレンジで広まった後にサラダ巻きというジャンルの基となったご先祖様だということが、宮崎を故郷とする筆者には誇らしくもあります。

皆さんも、次にサラダ巻きを見かけた時は使われている具を「これはレタス巻きかな?」とチェックしてみてくださいね♪