京都出身の調味料研究家・松本葉子です。夏本番になるとスパイシーな料理がおいしく感じます。そのひとつがカレーうどんではないでしょうか。京都といえば、あっさり上品、薄味の文化というイメージですが、実は京都には古くからカレーうどんの名店といわれる店がいくつも存在します。
カレーやだしの味、うどんの太さなどが店ごとに違うので、京都の人でもどこのカレーうどんがお気に入りかという話になると意見は分かれるところです。でも、京都のカレーうどんに共通する重要なポイントが2つ!今回はそれをご紹介したいと思います。

その1「お揚げさんがおいしないとあかんのえ」

京都のカレーうどんというと、惜しまれつつ閉店した下鴨の「しみず」、その流れを汲む「うどん わだ」、木屋町で飲んだ後の締めに愛されてきた「味味香」(現在は祇園に移転)、三条大橋近くの「みや古」、舞妓さんも食べに来る「おかる」など多くの名前が挙がりますが、そのひとつ、哲学の道に近い「日の出うどん」の品書きがこちら。

カレーうどんの専門店ではありませんが、カレーうどんのバリエーションが多いのです。ちなみに「味味香」では7種類、「おかる」でも5種類ほどあります。

中でも注目が「あげきざみカレーうどん」と「甘あげカレーうどん」。これは店によって、「きざみ」「甘きつね」などと名称は変わりますが、要するに油揚げが主役のカレーうどんです。「きざみ」は短冊に切った油揚げを使い、「甘あげ」は甘やかに煮上げた大きめの油揚げを使います。

どちらが好きかは人それぞれですが、必ず油揚げの形状を指定して注文するわけです。ちなみにトップの写真は、日の出うどんの「あげきざみカレーうどん」です。

味の決め手になる油揚げはどの店も吟味しています。なので「どこのお揚げさんつこてはるの?」と尋ねると、「うちは○○さんとこのです」とか、「△△で特別に作ってもろてますねん」とか、「名前はいえへんけど、うちのおうどんにはここのお揚げが一番合うんです!」とか、それぞれの店が胸を張って答えてくれます。

水に恵まれ豆腐の名店が多い京都という土地柄が、カレーうどんにも大きな影響を与えているのですね。

その2「やっぱりええ九条ネギつこてもらわんと」

京都でネギといえば青ねぎ。中でも九条ネギは伝統京野菜です。しなやかで香りがよく、瑞々しい味わいの九条ネギを使うのも京都のカレーうどんの特徴。大きめに切った濃い緑色がカレールーによく映えます。

家庭でネギだけ入れてカレーうどんを作るという人もいるほどで、店によってはネギが主役の「ねぎカレーうどん」というメニューがあったりもします。

 

最後までしっかりいただきます

京都のカレーうどんにおける油揚げとネギの重要性、おわかりいただけましたか?そして最後にもうひとつ。

カレーうどんを食べて汁が残ったら、そこでおもむろにご飯を注文し、丼に投入して味わっている人を結構みかけます。これも「始末」(倹約)を美徳とする「京都の食べ方」かもしれませんね。