京都出身で調味料研究家の松本葉子です。料理にアクセントをつけてくれる七味唐辛子。「ないと物足りない」「たっぷりかけるのが好き」という方も多いのではないでしょうか。というわけで、7(しち)3(み)の日には、とびっきりおいしいMy七味を作ってみませんか? とても簡単にできますよ!

七味って本当に7つの味?なにからできてるの??

七味唐辛子を料理にかけながら「これ、ほんとに7種類入ってるのかな?」なんて思ったことありませんか?

市販の七味の容器に表記されている原材料をみてください。1,2,3……大抵は7種類入っていると思います。でも実は製造元によって少しずつ入っているものや割合が異なるんですよ。

七味唐辛子の原料には以下のようなものが用いられています。

  • 赤唐辛子:辛みの主成分です。焙煎したものが用いられることもあります。
  • 山椒:香りと辛み両方が特徴的です。
  • 陳皮:みかんの皮を乾燥させたもの。爽やかな風味と色合いの元。
  • 柚子:柚子皮を乾燥させたもの。
  • 青のり:彩りには欠かせません。
  • 煎り胡麻:黒ごまや金ごまが用いられることが多いです。
  • 麻の実:ぷちぷちとした食感はこれが入っているから。
  • 生姜:香りも辛みもあります。
  • ケシの実:香ばしさがあります。
  • 紫蘇:赤紫蘇や青じその葉を乾燥させたもの。

あれ、10種? そうなんです。この中から7種使われていることが多いですが、もちろん全部使ってもokです。むしろ七味唐辛子の味わいの個性はブレンドの割合で決まるといってよいでしょう。

『My七味』の作り方はとても簡単!

前に書いた、七味唐辛子の原料になるものの中からお好きなものを揃えてください。7種類揃わなくったって構いません。ま、唐辛子だけだと『一味』ですけどね(笑)

それぞれの量はお好みで。辛いのが好きなら唐辛子をたっぷりどうぞ。柚子を効かせた爽やかな風味にするのもいいですね。

あとはすり鉢やミルサーなど、乾燥した食材を粉にできる道具で粉にします。もちろん昔ながらの「薬研(やげん)」(薬をすりつぶすもの。時代劇なんかででてくるやつですね)を使うのも可。ちなみにトップの写真は100均の小さなすり鉢です。

要するに粉になればいいのですが、あまり細かくしすぎると七味唐辛子の雰囲気じゃなくなるので、試しながらやってみてください。特に胡麻はつぶしすぎると油がでるので後から加えてごく軽くするぐらいでOK。そして、作る時は粉が目に入らないようにくれぐれもご注意を!

使う材料とその割合で味はもちろん、できあがりの色も随分変わります。上の写真の右側は、市販の一般的な七味唐辛子の色合いになるように作ってみました。そして左は京都の某老舗の七味唐辛子をまねて作ったもの。乾燥させた山椒の実を多めにして唐辛子は軽く焼いたものを使っています。

いろいろ試して好みのブレンドをみつけるのも楽しいですよ。

七味は時間とともに風味が落ちていくので、少なめに作ってできるだけ早く使い切りましょう。冷凍しておくと比較的香りが長持ちしますよ。

香り重視の七味を作っておくといろいろ楽しめます

七味は辛いものと思われがちですが、香り高い原料を多めに使って作っておくとたっぷり使えます。辛くないパプリカ粉を唐辛子の代わりに使うのもいいでしょう。

薬味として使うだけでなく、下ごしらえにも七味を使ってみてください。新しいおいしさを発見できます。

ドレッシングやマヨネーズなどに混ぜても彩りが楽しめます。そして、七味は乳製品との相性が良いので、クリームチーズやバターにまぶしたり混ぜたりも。

京都の七味唐辛子の店で人気の七味ソフトクリームのように、アイスクリームにかけるのも意外だけれどなかなか素敵なアクセントになります。

自分好みのブレンドで『My七味』を作ったら、おいしすぎてあれにもこれにもかけたくなるかも!?

自作の七味唐辛子をかわいい小瓶にいれればユニークなプレゼントとしても使えますよ。ぜひ試してみてくださいね!