「味覚の一週間」実行委員会は、「味覚の一週間2019」を10月15~21日、全国で展開する。料理人らがボランティアで小学校を訪れ、子どもたちに味の基本を教える「味覚の授業」や日本と他国の食材を合わせたオリジナルな「ONIGIRI」レシピを募集する「インターナショナル ONIGIRI コンクール」などの活動を行う。

「発信する日本の味」-未来の家族のために-をテーマに、日本の食材を広くアピールする。さらに、地球の生態系や安全と健康志向、食品ロス問題にも提言を行う。

「味覚の一週間」実行委員会・瀬古篤子委員長は8月27日、東京都中央区の東京ガス「Studio+G Ginza(スタジオプラスジーギンザ)で今年度の企画概要を発表。磯村尚徳氏(日仏メディア交流協会会長)、服部幸應氏(服部学園・服部栄養専門学校理事長・校長)、三國清三氏(オテル・ドゥ・ミクニオーナーシェフ)ら呼び掛け人と、田村隆氏(つきぢ田村三代目)をはじめとする参加料理人が意気込みを語った。

味覚の一週間が掲げる目的は、(1)消費者、特に若者に対して味覚教育・学習を行う(2)多くの人に、多様な方法で味や風味を摂取することを提案する(3)安全な食べ物を生産・製造・加工するよう働きかける(4)食べ物のルーツ(原産地・生産方法・質など)の情報を透明性高く、かつ学問的に提供する(5)バランスのとれた生活スタイルのため、“食”の役割の重要性を追求する–の五つ。

味覚の授業を行うことで、小児肥満や思春期やせ、栄養摂取の偏り、孤食・個食、朝食欠食、食の安全、食料自給率、食品ロスなど現代社会の食問題の解決を図る。

第8回となった「インターナショナル ONIGIRI コンクール」では、「『おにぎり』で出会う食文化」をテーマに、世界中からおにぎりレシピを募集する(17日までエントリー可)。入賞者には「ストウブ『La cocotte de GOHAN』など協賛社から商品が提供される。

フランスで30年前に始まった食育活動「味覚の一週間」は、日本では今年9年目を迎える。活動の中核となるのが料理人やパティシエ、生産者などが小学校を訪れ、子どもたちに味の基本と食べる楽しさを教える「味覚の授業」。

昨年度は実施校数253校(うち、調理実習実施校88校)、児童1万6192人、講師341人が参加した。同授業に講師として参加する料理人の店では、五味をバランスよく取り入れた料理レシピを写真付きで提供。味覚の授業の存在を広める役割も担う。

◇日本食糧新聞の2019年9月13日号の記事を転載しました。