働くお母さんは生き生きとして魅力的ですが、生き生きと日々を過ごしていくためには、食をおろそかにしてはいけません。今回はワンプレート、一皿の中にアンチエイジング効果が期待できる料理をあしらってみました。アンチエイジングは一日で効果が現れるものではありません。このプレートをヒントに、美と健康をコツコツと築き上げてみませんか。

鰆の山椒黄身焼き

【材料】(1人分)
鰆 1切れ
片栗粉 適宜
☆卵黄 1個
☆みそ 小さじ1
☆ヨーグルト 小さじ1
☆粉チーズ 小さじ1
山椒 少々
油 適宜

【作り方】
1.鰆の表面に軽く片栗粉をはたく。
2.オーブントースターを2〜3分温めておく。
3.グラタン皿に油を塗り、(1)を入れる。
4.☆をすべて混ぜ、(3)の鰆にかける。

5.(4)を(2)の中に入れ、アルミ箔をかぶせ、15分焼いたら取り出し、山椒の粉を振って完成。

鰆は良質なたんぱく質、すなわちアミノ酸スコアが高いたんぱく質が豊富に含まれています。「美肌にはコラーゲン」ということがかつて喧伝(けんでん)されていましたが、肌の成分がコラーゲンだからといって、コラーゲンを摂れば体の中でコラーゲンになるということはありません。

コラーゲンはアミノ酸スコアが低いので、体内でのたんぱく質合成=美肌作りにはあまり役立ちません。肉や魚から良質なたんぱく質をビタミンC(たんぱく質合成の補酵素)とともに摂るほうが、美肌作りには効果的です。

みそ、ヨーグルト、チーズはいずれも発酵食品ですから、相性は抜群です。ヨーグルトやチーズに含まれるカルシウムは骨粗鬆症などの予防につながります。まっすぐな背筋を保つためにも、丈夫な骨と筋肉が必要です。たんぱく質とカルシウムをしっかり摂りましょう。

春肉じゃが

【材料】(作りやすい分量)
豚挽肉 200g
新じゃが 中4個
新玉ねぎ 大1個
ひらたけ 1パック
グリーンアスパラガス 4本
だし汁 400ml
砂糖 大さじ2
酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ4

【作り方】
1.新じゃがは皮を剥き(新じゃがの皮は薄くてそのまま食べてもおいしいので、剥かなくてもよい)、一口大に切る。新玉ねぎはくし形に切る。ひらたけは小房に分ける。グリーンアスパラガスは根元に近い袴のほうの皮をピーラーで剥き、一口大に切る。
2.鍋にだし汁を入れて煮立て、砂糖、酒を加える。
3.豚挽肉を加えてほぐし、新じゃがを入れ、5分経ったら新玉ねぎとしょうゆを加え、落し蓋をして15〜20分煮る。
4.最後にひらたけとグリーンアスパラガスを加え、火が通ったら完成。

旬の野菜は栄養価が高く、じゃがいもは加熱してもでんぷん質がビタミンCを保護してくれるため、壊れにくい特徴があります。

参考サイト:
「じゃがいも」のビタミンCが壊れにくいのはどうして?:おいしい健康

春が旬のグリーンアスパラガスには、β-カロテン・ビタミンC・ビタミンEといった抗酸化作用のあるビタミンが豊富で、アスパラギン酸というたんぱく質合成に欠かせないアミノ酸も豊富ですから、美肌が破壊されるのを防ぎ、さらにお肌の成分を合成してくれます。

たけのことそら豆のサラダ

【材料】(作りやすい分量)
たけのこ(水煮) 150g
そら豆 5本
☆マヨネーズ 大さじ4
☆新生姜(すりおろし) 1片分
☆刻んだ木の芽(山椒の葉) 大さじ1

【作り方】
1.たけのこは一口大に切り、塩を加えたお湯(塩も湯も分量外。味見をして水っぽくない程度の塩味にする)の中で5分ほどゆでる。
2.そら豆の殻を外し、豆の細い面にある黒の部分に深く切れ目を入れ、(1)の中に入れ、2〜3分、軟らかくなるまでゆでる。切れ目が開いて豆の中が見えてくるのが目安。

3.(2)をザルにあけ、自然に冷ます。
4.☆を混ぜる。

5.(4)で(3)を和えて完成。

そら豆は植物性たんぱく質が豊富です。植物性たんぱく質のほうが動物性たんぱく質よりも優れているというわけではありませんが、肉や魚にはコレステロールが含まれており、植物性たんぱく質食品はノンコレステロールです。

もちろんコレステロールは健康な場合、体内での必要量が保たれるように、食品中のコレステロールの吸収を調整できることから(ネガティブフィードバックと言います)、最近は国の栄養指針「日本人の食事摂取基準」でもさほどうるさくは言わなくなりました。

それでもたんぱく質を動物性と植物性の両方から摂ることは、リスク分散という見地からも意義のあることだと考えられます。

春わかめと春キャベツのごま和え

【材料】(作りやすい分量)
春わかめ(生) 100g
春キャベツの葉 1枚
白すりごま 大さじ2
ごま油 大さじ1
めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1

【作り方】
1.生わかめと春キャベツはざく切りにしてそれぞれさっと湯がき、ザルにあけて水気を切る。
2.白すりごま、ごま油、めんつゆを混ぜて和え衣を作る。

3.(1)を(2)で和えて完成。

わかめやもずく、めかぶ、あかもくなどの海藻類は水溶性食物繊維とミネラル類が豊富な食材です。お通じが良くなると肌荒れを防ぐことができるというのは、経験的に実感されていることではないでしょうか。海藻類を毎日欠かさず摂ることで、良いお通じを続けましょう。

新ごぼうと春にんじんの混ぜご飯

【材料】(4人分)
新ごぼう 1/2本
春にんじん 小1/2本
こんにゃく 1/2枚
ごま油 大さじ1
めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1
白いりごま 大さじ1
麦ご飯 大盛り3杯(600g)
木の芽(山椒の葉) 4枚

【作り方】
1.新ごぼうは縦半分にして斜め薄切り、春にんじんとこんにゃくはそれに合わせた形で短冊切りにする。
2.熱したフライパンにごま油をひき、(1)を炒め、めんつゆをかけて水分がなくなるまでさらに炒め、ごまをふりかけたらボウルに移す。

3.(2)と麦ご飯を混ぜ、木の芽をあしらったら完成。

食物繊維の豊富なごぼうですが、筋張っているので不溶性食物繊維ばかりだと思われがちですが、実は水溶性食物繊維も豊富な食材ですから、美肌やダイエットにオススメです。

これら5つの料理に、ビタミンと水溶性食物繊維が豊富なフルーツを添えて、ワンプレートにしました。たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維のバランスが取れ、調味料を省いても25の食材が含まれており、美容と健康に適していると思います。

塩分は控えめですが、さらに野菜や海藻、果物に含まれるカリウムが余分な塩分を減らしてくれています。

これから梅雨を挟みながら、次第に強い日差しが照りつける季節がやってきます。その時々の旬の食材を織り交ぜながら、抗酸化作用が強いといわれる緑黄色野菜を意識的に摂り、食を通した美と健康を目指していきましょう。