こんにちは。食・栄養ライターの清原修志です。家庭向けの安くておいしくて簡単なオリジナル料理を中心にご紹介しています。今回は、「副菜にちょい足しで主菜に格上げ」というテーマで、簡単オリジナルレシピをご紹介します。健康維持のため、家族に食べてもらいたい野菜・海藻中心の料理「副菜」。しかし、和食の副菜はヘルシーだけど人気薄。これに肉類などをちょい足しして具だくさんにするだけで、ごちそう=主菜に格上げされ、家族にもたっぷり食べてもらえるおかずに変身します。これで、家族の野菜・海藻嫌い問題を解決しましょう。

ぜいたくきんぴら

具だくさんのきんぴらごぼうに、さらに豚肉も加えました。

【材料】(作りやすい分量)
☆豚肩ロース肉 200g
☆ちくわ 2本(50g)
☆ごぼう 1本
☆にんじん 1本
☆こんにゃく 1/2枚(100g)
☆ピーマン 1個
めんつゆ(3倍濃縮) 100ml
ごま油 大さじ1
白いりごま 大さじ1

【作り方】
1.☆の材料を、長さを揃えて細長くカットする。

2.フライパンでごま油を熱して(1)を炒め、材料に油がなじんだらめんつゆを加え、中火で炒め煮にする。

3.(2)に白いりごまを加え、混ぜ合わせたら器に盛って完成。

以前、人形町を散策していたとき、水天宮近くの和菓子屋さんに、人形焼きのほかに「ゼイタク豆」という豆菓子が売られていました。落花生を小麦粉の生地の中に入れて焼き上げてあり、味はとてもおいしかったです。

昔は、ゼイタクをすることは美徳ではなく、安い値段で落花生菓子を食べられるなんてゼイタク! そんなお得感から、購買意欲を刺激していたのかもしれません。ゼイタク豆は、敬老の日の両親へのおみやげにしました。

両親が、どんな風にゼイタクなのだろうと期待していそうに見えた私は、口に入れた途端、親の顔がガッカリした表情に変わるかと思いきや、二人ともニコニコと喜んでくれました。どうやら、ゼイタクか否かより、息子がおみやげをプレゼントしてくれたことのほうがうれしかったようです。

この「ぜいたくきんぴら」は、「ゼイタク豆」に負けないくらいゼイタクだと自負しています。

ごちそうひじき

【材料】(作りやすい分量)
牛バラ肉 150g
長ひじき(乾) 20g
こんにゃく 1/2枚(100g)
れんこん 100g
水煮大豆 100g
油揚げ 1枚
にんじん 1/2本
いんげん 50g
ごま油 大さじ1
だし汁 1カップ
めんつゆ(3倍濃縮) 100ml

【作り方】
1.ひじきを水戻しし、長いものは一口大にカットする。

2.牛バラ肉、こんにゃく、油揚げ、にんじん、いんげんは、(1)のひじきと同じくらいの長さにカットする。れんこんは薄いいちょう切りにする。

3.フライパンでごま油を熱して(1)、(2)、水煮大豆を炒め、材料に油がなじんだらだし汁とめんつゆを加え、落し蓋をして中火で炒め煮にする。落し蓋がない場合はフライパンにかぶる大きさにアルミホイルをカットして、中央に小さな穴を開けてかぶせるとよい。

4.(3)の煮汁がなくなったら、器に盛って完成。

いかがでしょう。ヘルシーですがさっぱりしすぎて子どもにはあまり喜ばれないひじきの煮物も、具だくさんにして肉類を加えることで、肉類のたんぱく質と脂質によってコクが増し、お子さんの味覚にも合う料理になったと思います。わが家の場合、高齢の父が子どものようにハンバーグやカレーが大好物なのですが、喜んでモリモリ食べてくれました。

かつてひじきは「鉄分の王様」などと言われるほど、鉄分の豊富な食材として知られていましたが、日本食品標準成分表が2015年に改定された際、製造に使う釜の多くが鉄製からステンレス製に代わったことでひじきの鉄分量がかなり減量され、話題になりました。

しかし、ひじきがミネラルの豊富な食材であることは間違いありません。また、ひじきの黒い色は献立全体の色彩を引き締める役割も果たします。

副菜から主菜に格上げされた「ぜいたくきんぴら」と「ごちそうひじき」をぜひお試しください。