子どもの舌に刻みたい「うま味」出汁をつかった食事を
三児のママ、スポーツ栄養士の馬明真梨子です。栄養士という職業は、関わる現場によって専門性が異なります。私の場合、ずっと「スポーツ現場」に関わってきたのですが、子育てと共に高校生の栄養教育をするようになって、子どもたちや子育てをしている大人に対する食育について講演をする機会が非常に多くなりました。その中で、参加者のみなさんには和食の良さを考えてもらうことが増えました。今回は「味」についてご紹介します。
5つの味はご存知ですか?
五味という言葉はお聞きになったことはありますか? 五味とは「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」のことを言います(さまざまな分け方があります)。
甘味は、エネルギー源になるもの。塩味はナトリウムを多く含むもので細胞内の成分になるもの。酸味は、疲労回復効果を。苦味は、本来は毒の可能性を検知するもの。うま味は、うま味成分により感じ、おいしさの重要な要素。
基本の五味を家庭の食事ではどのくらい使っているでしょうか? 甘味、塩味は意識せずとも摂っていると思いますが、酸味や苦味はお子さんによっては嫌う子ももちろんいます。
子どもたちは「味を知る」「経験する」時期なので、食べないから出さないではなく、さまざまな味を体験することが大切です。
うま味こそ、日々活用したい味
うま味とは、主にうま味成分のグルタミン酸(昆布に豊富)、イノシン酸(かつお節に豊富)が有名ですね。煮干しや干ししいたけなどにもうま味成分が含まれています。
うま味成分は単体よりも合わせることで「相乗効果」が得られます。私たちの味覚回路では、生きていくために「甘いもの」「脂っこいもの」への依存性がありますが、「うま味」に対してももっと食べたいという依存性があります。
特にかつおだしには必須アミノ酸や必須脂肪酸が含まれており、血流を増やし疲労回復効果があるとのこと。甘いものや脂っこいものはエネルギー源ではありますが、子どもの頃から「うま味」を感じることができるよう出汁を使った食事を目指したいです。
出汁をとることから始めてみましょう!
ご家庭では、出汁をとることはありますか? 市販の顆粒だしはとても手軽ではありますが、おいしくするためにいろいろなものが追加されています。一度パッケージで原材料を確認してみてください。
私もバタバタしながら、かつお出汁は毎回必要な量だけとるようにしています。こちらで簡単にご紹介しています。ズボラな出汁のとり方ですよね。
毎朝食べたい万能料理「味噌汁」を子どもの朝食に【ママ栄養士の幼児食奮闘記】
もちろん多く作っておいて冷蔵庫に保存することも可能です。お茶パックにかつお節を入れ、出汁をとる方法もあります。最近はだしパックが販売されているので、活用するのもOKですね。まずは1日1回、1食1品、ご自分のペースで取り入れてみてください。
出汁を使った料理があるだけで、おいしさの感じ方は大人も変わるはずです。お子さんの味覚は私たちよりも鋭いです。慣れが必要になるお子さんもいますが、さまざまな味を経験したほうがいい時期に味を限定してしまったり、甘すぎるものや脂質が多いものばかりの食生活になっていると味覚が鈍ってしまいます。
「だし」をキッカケにご家庭の食事内容を振り返ってみてくださいね!
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