ボンジョルノ!イタリア在住フードライター、オリーブオイルソムリエの鈴木奈保子です。今回はエキストラヴァージンオリーブオイルがテーマです。健康にいいというだけではなく、お料理を美味しくしてくれる万能調味料です。意外にも和食にもぴったりなので、毎日の普段の食卓に取り入れるアイデアをご紹介します。

イタリアのオリーブの実は700種類以上も!

ここ数年、オリーブオイル生産量世界一の座をスペインに奪われてしまっているイタリア。でも質に関しては、まだまだトップの座を守り続けています。それというのも、イタリアには700種類ものオリーブの実があって、2000年以上も前からオリーブオイルを楽しむ長い伝統があります。

そのためイタリアのエキストラヴァージンオリーブオイルと言っても、オリーブの実の種類によって味わいはさまざまです。まるでワインのように、お料理にぴったりなエキストラヴァージンオリーブオイルを合わせると、もっと食事が美味しくなります。

あっさりした和食にコクをプラス!お醤油の代わりに、お醤油と一緒に!

エキストラヴァージンオリーブオイルをあわせるのは、イタリア料理をはじめとする洋風のお料理だと思っていませんか? 実は、和食にもぴったりです。

良質なエキストラヴァージンオリーブオイルは油というより、新鮮なオリーブの実のみが含まれた天然のジュースですから、ごくりと飲めるくらいで、ちっとも油っぽくありません。オリーブの新鮮な香りと、ピリッとした刺激のある辛味と苦みが、和食に独特のコクを加えてくれます。

例えば、あっさりした和食、冷奴にオリーブオイルをかけてみましょう。お豆腐は少し苦みがあるので、同じ苦みのあるタイプのエキストラヴァージンオリーブオイルをかけると相性抜群です。お醤油、または塩を少々かけてもいいでしょう。

ネギやショウガのかわりに、バジルやトマトをのせると、あっさりしたカプレーゼサラダのような新しい味わいが楽しめます。

ほうれん草のお浸しにも、塩とオリーブオイルをひと回し。この場合には、緑の香りがさわやかなマイルドタイプのエキストラヴァージンオリーブオイル、という具合です。

オリーブオイルと同量のお醤油を加えても美味しいですよ。

お寿司にも、お刺身にも、もっとオリーブオイルを楽しんで!

イタリア料理の魚のカルパッチョにエキストラヴァージンオリーブオイルが欠かせないように、お魚との相性もぴったりなので、お寿司にも上質なエキストラヴァージンオリーブオイルが合うのは当然です。

この場合、ネタによって合わせる種類を変えるのがポイントです。味がしっかりしたマグロや光物のお刺身には、ストロングタイプのオイルがピッタリ。独特の魚の匂いが消えて、魚自体の味が引き立ちます。この場合、シチリア島産が特におすすめです。

一方、淡泊な味わいの鯛や鱸などの白身の魚には、魚の味を消してしまわないようなデリケートなオイル。北イタリアのリグーリア州のオイルがよく合います。

もちろんナマのお魚だけではなく、焼き魚にも威力を発揮します。焼いただけのお魚の切り身に垂らすだけで、いつもと違うコクのある味わいが楽しめます。

ワインのようにいろんな種類や産地のエキストラヴァージンオリーブオイルを試してみて、お気に入りの味を見つけてくださいね。