こんにちは。タイ料理研究家、サクライチエリです。冷蔵庫の片隅にいつまでも残っているナンプラー消費プロジェクト(勝手に命名)。今回は、どこのお宅でも眠っているであろう、キャベツを一気に消費するレシピでもあります。ナンプラーの旨味で、キャベツのいつもと違う味わいの一皿に変身します。野菜料理があと1品欲しい!という時などに、どうぞご活用くださいませ。

ナンプラーは、アンチョビの従兄弟です

ナンプラーの原料はカタクチイワシと塩とコク出し程度の砂糖です。カタクチイワシといえば、イタリアンなどでよく使うアンチョビもカタクチイワシが原料です。発酵しているか、塩漬けか、オイルに漬かっているか否か、くらいの違いと思えば「The エスニック!」なイメージのナンプラーも、ずいぶん親しみが持てるかと思います。

ということで、今回はアンチョビとも相性のいい、また今が旬の春キャベツと合わせてみましょう。

【材料】(2人分)
キャベツ 小玉半分(200gくらい)
ニンニク 1片
サラダ油 大さじ1
酒 大さじ2
ナンプラー 大さじ1

【作り方】
1.ニンニクは薄切りにして、サラダ油と一緒にフライパンに入れ、弱火でゆるゆると加熱します。
ここは弱火でじっくりやらないとニンニクが焦げますのでご注意を。

2.キャベツはくし切り4つ割にしておきます。芯を取らずに切ると、芯までおいしくいただけますし、ばらけない分、調理が楽です。

3.ニンニクの香りが立ち色づいたら、一度ニンニクを取り出します。焦げないようにと、かりかりガーリックチップスとして後でトッピングできるように。

4.火力を中火にして、キャベツを入れて、1~2分加熱します。ほんのり焼き色がついたら裏返し、酒を加えたらフライパンに蓋をして、さらに2分ほど、蒸し焼きにします。

5.キャベツがいい具合に加熱できていたら蓋を空け、ナンプラーをまわしかけたら出来上がりです。とりわけておいたニンニクチップスを散らして、お好みで黒胡椒をがりがり挽いて、いただきます。

エスニック風味だけじゃない。油を変えたら変幻自在なキャベツ焼き

タイ料理での油は主にサラダ油を使用します。油をオリーブオイルにしてみたら、よりイタリアンな1品になりますし、ごま油に変えたら中華の副菜にも変身します。さらにふりかけるお酒をワインにする、紹興酒にするなどで、また違った味わいになります。

ナンプラーも懐が深いけれど、それ以上にキャベツがどの地方の料理にも、難なく変身してくれます。

キャベツ焼きを応用して、ツナキャベツパスタ

キャベツを小さめにちぎって同じように蒸し焼きにし、ゆでたパスタとツナの油漬けの油ごと和えると、春らしいパスタとしても楽しめます。

ナンプラーのコクのある旨みで、あっさりツナにも味に深みが出ます。オリーブを散らしたり粉チーズをかけたりして、いろいろなバリエーションが楽しんでみてください。

キャベツのビタミンC、K、Uで、からだの中も外もキレイになろう

キャベツはお料理のかさ増しにも貢献し、お財布にも優しく、料理の汎用性も高いです。実はご先祖様は、薬効効果の高さでしばしば昨今話題になる「ケール」です。

キャベツに多く含まれるビタミンCは風邪の予防や疲労回復、肌荒れにも効果があり、ビタミンKは血液の凝固促進や骨の形成に貢献しています。さらに薬の名前にもなっている「キャベジン」とも呼ばれるビタミンUは、 胃や十二指腸などに対する抗潰瘍作用があり、潰瘍の予防や治療に非常に高い効果が期待できるそうです。

参考サイト:キャベツの栄養成分と効用:旬の野菜百科

旬の食材をおいしく食べて、ナンプラーともぜひ仲良しになってみてください。