スポーツ栄養士、3児のママの馬明真梨子です。2019年のラグビーワールドカップで注目を浴びるラグビーですが、高校ラグビーはこの冬が一番の盛り上がりです。私は3年前から広島県の尾道高校ラグビー部の栄養サポートをしています。尾道高校は先日の広島県予選で優勝し12月27日から開催される全国高校ラグビー大会に12年連続13回目の出場を決めました。
今回より3児の母目線でラグビー部の食トレ紹介と共に、スポーツキッズにも意識してほしい取り組みについて連載していきたいと思います。

ラグビー欲・睡眠欲・食欲!3つの欲が大事

尾道高校ラグビー部では文武両道を掲げており、全国大会に出場するチームとしては珍しく年末の試合でも参考書を片手に大会に臨む選手も少なくありません。勉強だけでなく、地域のお祭りやボランティアにも積極的に参加しているチームです。

私がチームに携わった際に監督から「人間、“3つの欲”が大事だから!ラグビーに対する欲、睡眠欲、そして食欲の3つのことよ。強くなりたい!○○になりたい!と意欲を持って食べる、これが大事でしょ。意欲ある選手、意識高い選手を引っ張ってください!」と言われました。

それ以降、選手の食意識もさりげなくチェックしていました。選手と接する中で、食意欲がある選手は競技力、私生活に結びついているなと私自身も感じています。

食事マナーや配膳はできて当たり前!

選手達は寮生活をしており、学校の食堂で食事をしています。チームのサポートに入って驚いたことが一つ。お皿や箸の配膳が(ほぼ!)完璧なのです。高校男子の配膳が綺麗だなんてびっくりしました。

私の前任には、一社)食アスリート協会の理事で公認スポーツ栄養士の馬淵先生が約5年サポートに入っており、馬淵先生からは必ず食事マナーや配膳の話はしているからと聞いていたものの、高校男子がここまでできる何て!すごいと思いました。

先輩が新1年生に配膳を教えることが継続されており、毎年私の出る幕はほとんどありません。ただ、気が緩んだり、テスト前になると、食堂スタッフさんや先生方から一喝入ることも時々。

シェフこだわりの朝食!梅干しも選手が毎年作ります

何を食べるかも大事だけど、当たり前がもっと大事!

昨今のスポーツと食の情報は、「何を食べるか」と栄養素の話にスポットがあてられていますが、毎日ある食事にどう向き合うか、ここが選手自身の持った力を伸ばせるかの鍵になっていると選手たちを見ていて感じています。

食意欲の高い選手は、どうなりたいか目標を明確にもっており、それに対して、何を食べたらよいか、質問をする選手がほとんどです。また、配膳やマナーはお米をしっかり食べる食べ方ができるだけでなく、食事時間や心のメリハリをつけ、作ってくださった方への感謝の気持ちを伝えるためにもとても大事なことです。

これは高校生に限らず、離乳食を始めた赤ちゃんやスポーツを始めたかりのお子さん、私達大人も見直したい点です。忙しくても「いただきます、ごちそうさま」を丁寧に言えるママでありたいですね。