ふりかけも手作り!「よく食べる子」を育む給食【たべぷろ編集長インタビュー】
和風だしの代表といえば「かつおぶし」「かたくちイワシ」「昆布」。さて皆さんは、それぞれのだしの風味や味わいの違い、分かりますか? 食育の一環として、その違いを子どもたちに感じてもらう取り組みをしている保育園があります。子どもの味覚磨き、とても大切ですよね!
味覚形成の時だからとても大切。基本のだしの違いを感じてもらう
0~2歳児を預かるもりまさ保育園(埼玉県八潮市)では、毎月1回食育ゲームを実施! 4月は「かつおぶし」「かたくちイワシ」「昆布」のだしの違いを子どもたちに味わってもらうために、それぞれで作ったスープの飲み比べに挑戦。
さらに、かつおぶしに関しては、“カンナで削り立て”のものと、“既製品”とで味比べ。削り立てのかつおぶしは、口の中でとろけるため、その食感に子どもたちも大喜びだったとか!
いわゆる「調理の基本」を大切にする同園の給食は、調理師でもある森政園長先生指導のもと、可能な限り加工品に頼らず、独自の給食を子どもたちに提供しています。「とにかくよく食べる子が多いですよ!」と園長先生。お友だちの力だけでなく、こうした食への情熱を子どもたちも自然と感じ取っているのでしょうね。
そのためか、使う調味料もおいしさを感じるのに必要な味のみと最小限に抑えます。それを基本にしたこの日のメニューは「八宝菜」「ジャーマンポテト」「厚焼き玉子」「ふりかけご飯」でした。
見た目、香り、食感でも味わう“お弁当箱”に入ったお昼ご飯
八宝菜
よく保護者さんから、「野菜炒め」は食べないけど「八宝菜」は食べてくれる!という声も聞かれます。それは“とろみ”がついているからかもしれません。野菜たっぷりのメニューであっても、この“とろみ”が手助けしてくれるそう。そして彩りも大切。赤・黄・緑・白とカラフルな野菜たちで食欲も増進!
<材料>
・豚肉、キャベツ、ニンジン、ピーマン、パプリカ、タケノコ、長ネギ、キクラゲ
・ゴマ油、塩、醤油、鶏がらスープ
・片栗粉(とろみ付け用)
<作り方>
①ゴマ油で野菜を炒める
②塩、醤油、鶏がらスープで味付け
③最後に水溶き片栗粉を入れてとろみ付け
ジャーマンポテト
新ジャガを使った「ジャーマンポテト」はベーコンと合わせ、食欲アップにニンニク風味をプラス。この時期ならではの柔らかい皮を持つ新ジャガ使用で、皮はむかずに料理していました。「どうして皮が付いたままなの?」そんな子どもたちの疑問にも、野菜の旬について教えてあげられますね。
<作り方>
①丸ごと茹でたジャガ芋を食べやすい大きさに切る
②ベーコンと炒める
③風味付けのニンニク(チューブ可)、塩で味を調える
厚焼き玉子
「厚焼き玉子」はふわふわ食感。そのヒミツは「はんぺん」! 卵とはんぺん(卵5個に対しはんぺん1/2枚程度)をしっかり混ぜ合わせ、砂糖・醤油・酒を少々。これだけでふんわりとした玉子焼きの完成。原材料に魚肉が使われているので魚の栄養も同時に摂取!
ふりかけご飯
驚いたのが「ふりかけご飯」。なんと「ふりかけ」も手作りでした!
かつおぶし・じゃこ・ゴマを火にかけ炒ったところに、醤油を少々垂らします。うまみ成分たっぷりの材料が合わさっているので、醤油はほんの少しでOK。ご飯には、ねばり気のある“こしひかり”を使うことで、子どもが食べやすいよう配慮されていました。
なんとなくおしゃべりができるようになってきた、1~2歳の12人の子どもたち。みんなで食べると楽しい! ついついおしゃべりに夢中になります。
そんな時は先生が声をかけて、ご飯に集中するように促していました。こんなに小さい子たちでもハッと気付き、またご飯をむしゃむしゃ・・・。
おやつは特別なものでなくていいんです
保護者からは「うちの子、よく食べるんです・・・」という悩みも聞かれるそう。そんな悩みに園長先生は「3食きっちりと食べて、よく遊びよく寝れば、食べ過ぎて太るなんてことはないですよ」と回答。
忙しい時や、子どもがぐずってしまったとき、つい嗜好性の高いお菓子をあげてしまいがち。それを繰り返すと確かに太りやすくなってしまうようです。“おやつ”といってもそれは決して“お菓子”に限りません。一度に多くの量を摂れない幼児期は、「おにぎり」だって立派なおやつ! お手製ふりかけを使って、いつもとひと味違うおにぎりを出してみては?
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