初物オリーブオイルを使って、いつもの素材を簡単にイタリア料理に!
ボンジョルノ! イタリア在住フードライターの鈴木奈保子です。今回は、イタリア料理に欠かせない大切な素材、オリーブオイルについての話題です。というのも、11月はオリーブの旬で、ようやく待ちに待った初物のオリーブオイルが出回ります。毎年、気候などによって味が左右されるので、おいしいものに目がないイタリア人にとって、その年のオリーブオイルの出来は、重大な関心事です。この大切な食材オリーブオイルについてご紹介します。
オリーブオイルがあれば、イタリア料理はもっとおいしくなる!
南北に長いイタリアは、地方ごとに特徴のある郷土料理があります。とはいっても、イタリア料理といえば、シンプルで素材の持ち味を大切に活かしているという共通した特徴があります。特に、フィレンツェより南の暖かい地方では、パスタでも、ピッツァでも、オリーブオイルが料理のベースになっています。
料理にイタリアらしい風味を生み出すのが、オリーブオイル独特の味と香りともいえるのです。そのため、ほかの植物性のオイルでは絶対に代用することが不可能で、イタリア料理を作るときに欠かせない大切な食材です。
11月が旬!オリーブオイルも鮮度が大切
オリーブは地中海沿岸が原産で、古代ローマ以前のはるか大昔から、オリーブオイルを使ってきました。言ってみれば日本人にとっての醤油のように、イタリアではどこの家庭の台所にもある必需品です。
オリーブオイルは、新鮮なオリーブの実を絞った、天然のオリーブの実ジュースです。オリーブの実の収穫期である秋になると、イタリア人の関心事は今年のオリーブオイルの出来具合です。それぞれの地方によっても味が違いますが、毎年、天候にも大きく左右され、値段も年によって違いがでます。
煮たり焼いたり加熱するときに使うのは別として、サラダなど生で使うオリーブオイルは、味と香りにこだわって、初物が出回るこの時期に大量に新鮮なオイルを農家などから直接購入して、一年で使い切るという家庭も少なくありません。
オリーブオイルの味見は、古代ローマ時代からパンにつけるのが伝統的な方法です。さっとあぶったパンにたっぷりオリーブオイルをつけて味わいます。
新鮮なオイルは、舌にピリッとした刺激がありますが、時間とともにだんだんまろやかになってきます。ワインのように香りも重要なポイントです。オイルといっても、料理の味を左右するベースとなる大切な素材なのですから、お気に入りのオリーブオイルを見つけることが大切です。
旬の野菜や魚にオリーブオイルをたっぷりと
オリーブオイルと特に相性がいい食材は野菜です。ニンジンやセロリ、キュウリなどを細長く切った野菜スティックだって、特別なディップは必要ありません。オリーブオイルと塩、コショウを混ぜただけのものに付けてみてください。野菜そのものの味がシンプルに引き立って、いくらでも野菜が食べられるおいしさです。
また、ナス、ズッキーニ、トマト、カラーピーマンなどお好みで旬の野菜を、たっぷりのオリーブオイルでゆっくり炒めると、素材のうまみやコクがじっくりと引き出され、まろやかな味に仕上がります。このオリーブオイルで炒めた野菜をパスタに絡めると、本格的なイタリアのパスタ料理です。
野菜以外にも、いつもの焼き魚に、醤油のようにオリーブオイルをかけてみてください。不思議なことに、イタリア料理のレストランで食べる魚料理に変身です。焼いたパンにかけると、おいしいブルスケッタ、というように、例を挙げるときりがありません。
最近では日本でも簡単にいろんな種類のものが手に入ります。おいしいオリーブオイルを用意して、イタリア料理を楽しんでみてください。
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