こめ油を使った料理やスイーツを提供するカフェが、若者の街・代官山で話題を呼んでいる。代官山地下グルメ街に3ヵ月の期間限定で誕生した、築野食品工業が展開する初の外食アンテナショップ「ヘルシーオイルComeyu Kitchen」だ。幅広い層に向けてダイレクトにこめ油の魅力を伝える使命を担い、こめ油の健康性や使い勝手の良さを訴求する一方、「こめ油使用」で付加価値向上を図る外食店が増える中、この動きを加速化させる狙いもある。

一押しのプレートメニューでは、マリネやラタトゥイユなど週替わりもしくは日替わりの前菜3種に、同社のお膝元・紀州梅鶏を使った唐揚げやコロッケ、かき揚げから選べるメーンディッシュ、サラダ(こめ油を使ったドレッシング付き)とご飯が付く。

このご飯が自慢で、こめ油を入れて炊飯し、つややかな外観とまろやかなおいしさを実現。玄米が苦手な人にも、玄米(米ぬか)の健康成分を手軽に摂取できる新しいご飯の食べ方として提案する。

一押しのプレートメニュー(コロッケ)

その他、軽食では唐揚げ丼とかき揚げ丼、テークアウトメニューではコロッケや唐揚げ、かき揚げを挟んだサンドイッチを用意している。

スイーツ類の品揃えも豊富で、米粉とこめ油のシフォンケーキはしっとりふわふわ食感が長時間維持され、米粉ドーナツは表面のカリッと食感が自慢。さらに焼き・揚げ菓子だけでなく、アイスクリームでは米粉クレープを巻いて食べるクレープアイスと、サンショウの香り高い「山椒香味油」をかける二つの食べ方で提供する。

代官山駅近くのフードコートに出店

9月5日に開催されたメディア発表会&試食会の会場で、築野冨美社長は同店の意義について「貴重な国産資源『こめ糠』を、気軽にライフスタイルに活用できる方法を提案すること」とし、そのポイントとして「健康」「美容」「社会貢献」がある。具体的には「ビタミンEやトコトリエノールなど米ぬかの栄養成分が豊富なことに加え、使い勝手が良く後片付けが簡単など主婦に優しい油。さらに食用油の中では唯一国産原料の米ぬかを使い、絞った後の脱脂ぬかは工業用に再利用されるなど社会的意義も高い」と説明した。

推進役の築野靖子さんは「土地柄、若いお客さまが多いだけにこめ油の認知度は低いが、それだけに提供するメニューの味や食感に驚きの声が挙がっている」と話す。

◇日本食糧新聞2018年9月24日号の記事を転載しました。