静岡県在住の元祖農業ガール・藤野いち子です。子どものときには「ワサビ抜き」の寿司しか食べられなかったのに、大人になるとワサビがおいしいと感じるようになる不思議。味覚は強い刺激を受け続けていると慣れるので、辛いものを食べ続けているとちょっとやそっとの辛さでは平気になるのだそうです。
「辛いものはほどほどに」と言われるかもしれませんが、大人であれば、時には刺激がほしくなることもありますね。そこでワサビをのせたご飯「ワサビ飯」もご紹介します。おいしいけれど、ツーンときますよ!

魚の生臭みを抑え食中毒も防ぐ、ワサビのルーツは静岡市有東木

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わさび漬けは静岡県民が愛するご飯の友!産地で教わったおいしい作り方【レシピ付き】

ワサビは刺身などの生臭さを抑え、その殺菌力で食中毒を予防すると言われています。刺身と一緒に買い求める方も多いでしょう。

静岡県はワサビの産地のひとつで、観光地として有名な伊豆天城がワサビ栽培でも知られています。そのため「ワサビ栽培の発祥の地は?」というと伊豆天城をイメージしがちですが、本当は静岡市有東木にそのルーツがあります。

昔、静岡市の山間地有東木で暮らす人々は、湧き水を見つけると渓流に自生するワサビを挿して帰り、そのワサビがよく育っていたらそこをわさび田にしたのだそう。その有東木のワサビを徳川家康が気に入り、門外不出として保護したことが有東木のワサビ栽培の始まりであると言われています。

その後、江戸時代中期に天城山の山守が有東木に炭焼きの技術指導に来て、帰るときにワサビの苗を極秘で持ち帰り、天城でも栽培が広まったということです。

ワサビのおいしさは、お上の目を盗んででも・・・ということなのでしょうか。

参考資料:
「家康からの贈りもの」 中村羊一郎著 羽衣出版

ツーンと来るワサビ飯 涙が出てもうまい!

それでは、ワサビ栽培発祥の地、有東木でも食べられている、ワサビ飯の作り方を紹介します!

まず、ワサビを入手しましょう。おろす前のまるごとのワサビは、高級食材を扱うスーパーマーケットなどで販売しています。

今回のワサビは、有東木の少し下の横山という地区にある「わさび路おざわ」で買わせていただきました。ちなみにわさび路おざわは、全国わさび品評会で最高位の「農林水産大臣賞」を受賞している生産者さんでもあり、手作りワサビ漬けでも有名なお店でもあります。

「インスタ映え!」を連呼していた藤野は、撮影用にワサビを貸していただいたり写真を撮る場所を提供していただいたり、とても親切にしていただきました!

まずは、ワサビのおろし方です。

必ず用意したいのは、細かい目のおろし金。理想的には鮫皮のおろし金ですが、高価なのでワサビのためだけに用意するのも大変です。藤野はプラスチックのおろし金を用意しました。

ワサビの茎を外から1本ずつむしりとります。そして茎の付け根の部分から、円を描くようにおろしていきます。

すりおろしたら、なるべく早く食べるのが鉄則!急いでごはんを茶碗にもりつけて、そこに鰹節をたっぷり掛けます。その真ん中にすりおろしたわさびをのせて、しょうゆをかけて、いただきます♪

うわーっ!!きたーッ!!

涙を流しながら、ワサビ飯をかっ込む藤野。

鰹節が刺身であれば、それをわさびしょうゆでいただくとイメージしていただければ伝わるでしょうか。いえいえ、想像していたよりもおいしかったです。機会がありましたらぜひお試しください。

残ってしまったワサビ活用術&保存術

ワサビはお刺身や寿司にしか合わないと思いがちですが、わさび路おざわでいただいたリーフレットによると、バターやマヨネーズに混ぜて、焼肉・サラダ・サンドイッチに添えてもおいしいのだそう。そのほか和風スパゲッティの薬味にしてもよいとのこと。

さて、残ってしまったワサビですが、表面の水分を拭いた後、ポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室に保存してください。1カ月ほどでしたら、おいしくいただけるということです。

時間がない方は、全部すりおろしてラップに平たく伸ばせば冷凍保存もできますのでご安心を!。