ボンジョルノ。イタリア在住フードライターの鈴木奈保子です。ここイタリアでも暑い日が続いているので、夏を乗り切るために毎日の料理に欠かせないのがハーブです。8月2日は、エスビー食品株式会社が、ハーブをより身近に感じて、生活に取り入れてほしいと登録した「ハーブの日」です。今回はイタリアから、人気のバジルを使ったメニューをレシピ付きでご紹介します。

夏の暑さを乗り切るために欠かせないバジル

イタリアでは伝統的に自然の恵みハーブを料理に使っていて、ハーブはイタリア料理に欠かせない大切な材料の一つです。いろんな種類がありますが、特にこの季節、イタリア料理の定番は、バジルです。

バジルは、少しシソに似たさわやかな香りと、少し苦みのある独特の味で人気のハーブです。暑くて食欲がないときでも、香りのよい新鮮なバジルの葉を一枚料理に加えると、すがすがしい独特の香りで食欲を誘います。

まずは相性抜群のトマトと一緒に!

特にトマトとの相性は抜群で、生のトマトと和えるだけで、いつものトマトサラダが香りのよいイタリア風前菜に早変わり。モッツァレッラチーズを入れると、見た目も楽しい赤、白、緑のイタリア国旗のカプレーゼサラダに。これなら、暑い日でも美味しく食べられます。

また、夏になると、イタリアでは一年中使える量のトマトソースを手作りするのが家庭の主婦の伝統でした。旬のトマトを煮込むときに欠かせないのがバジルです。

パスタだけではなく肉料理にも使える美味しいトマトソースになります。フレッシュなバジルの少しスパイシーな香りが、食欲を刺激してくれるようです。

夏パスタ人気ナンバーワン!バジルソースのスパゲッティ

トマトだけでなく、お肉にも魚にもナスやピーマンなどの夏野菜とも相性がいい万能ハーブのバジルですが、イタリアで一番人気があるのがバジルをドロッとしたソース状にしてパスタと和えたスパゲッティ・アル・ペスト・ジェノヴェーゼ。もともと北イタリアのジェノヴァが発祥なので、正式にはこう呼ばれます。

新鮮なバジルをオリーブオイルと松の実、パルミジャーノチーズと混ぜ合わせただけのペーストですが、夏のパスタのソースとしてピッタリ。独特の香りと深い味わいに、暑くてもペロリと食べてしまうことうけ合いです。

ペースト・ジェノヴェーゼのレシピ

【材料】
・バジルの葉 25g
・ニンニク 1/2個
・松の実 8g
・パルミジャーノチーズ 50g
・エキストラバージンオリーブオイル 50ml
・ 塩 少々

【作り方】

  1. バジルの葉っぱだけを、さっと洗って布巾ではさんで一枚ずつ乾かす。
  2. みじん切りにしたニンニク、松の実、バジルの葉、オリーブオイル、塩をフードプロセッサーで、ペースト状にする。
  3. おろしたパルミジャーノを加えて出来上がり。

材料さえそろえば、フードプロセッサーにかけるだけで簡単に出来上がります。少し多めに作った場合は、チーズは入れずに加熱処理した瓶に入れて、表面が空気にふれないようにオイルでペーストの表面を覆って蓋をして、冷蔵庫で一週間くらい保存ができます。

チーズは、食べる直前に入れる方が風味がよくなります。また、冷凍保存もできます。

ペーストはパスタと和えるだけではなく、ミネストローネやオムレツに加えたり、ゆでたタコや鶏肉のサラダのドレッシングとしても美味しいです。

いつでも家庭で新鮮なバジルが楽しめる鉢植えがおすすめ!

バジルの葉は、なんといってもフレッシュが一番です。イタリアの家庭では庭がなくても、必ずベランダや窓際に鉢植えのバジルを育てています。バジルは亜熱帯地方が原産だそうなので、日本でも簡単に栽培できます。

ハーブの日にちなんで、さわやかなバジル料理で暑い夏を元気に乗り切りましょう。