こんにちは。「台所は家庭の薬箱」家庭の台所から家族の健康を整える重ね煮健康料理研究家の田島恵です。
「重ね煮健康料理」は日々の食生活において、 陰陽調和のとれた「中庸」のものをいただくことで、自分自身やご家族の体調をととのえ、 身体の内側から健康をつくりあげていく「家庭料理」です。
なぜ中庸が大切か、そして驚きの美味しさの「春の重ね煮味噌汁」を今日はご紹介しますね。

重ね煮は陰陽の考えに根付いた調理法

重ね煮、耳にしたことがありますか?

その考え方は、東洋に古くから根付く自然観「陰陽」に由来しています。自然界も食材も、もちろん自然界の一部である私たち人間の身体も「陰陽(いんよう)」で考えることができます。

陰陽にはそれぞれ、「陰性」ゆるめる、広がる、冷やす 「陽性」しめる、縮まる、温めるという特徴があります。私たちが健康だと感じている時は、心身の陰陽のバランスが取れた「中庸(ちゅうよう)」の状態のときです。

*中庸(ちゅうよう)とは「過不足がなく調和がとれていること。また、そのさま。」(goo国語辞書より)

陰性、陽性のどちらかに傾いてしまった時は、体調が優れないということになり、その傾き具合が大きいほど 、体調の崩れや不調の症状がひどくなります。

重ね煮アカデミーでお伝えしている料理は中庸のもの(炒り玄米ごはん、春の重ね煮味噌汁、筑前煮、春キャベツとスナップえんどうの梅和え、柏餅

シーソーの土台となる中庸

そして食べ物にも陰と陽があるのです。その食べ方は私たちの体調と密接につながっています。AちゃんとBちゃんの食生活をシーソーを例に見てみますね。

Aちゃんの食生活

お肉、卵が好き、生野菜はドレッシングをかけると食べられる。おやつはスナック菓子とジュースというAちゃんの場合、スナック菓子、ジュース、生野菜、ドレッシングは「陰性」、お肉、卵は「陽性」。Aちゃんはシーソーの「両端」のものを食べているため、揺れが大きく、身体に負担がかかっている状態です。

Bちゃんの食生活

家庭での食事は「重ね煮健康料理」というBちゃんの場合、重ね煮健康料理は中庸。Bちゃんは、シーソー土台部分の「中庸」のものを食べているため、揺れが小さく、安定している状態です。

 

お分かりいただけたでしょうか?

Aちゃんは、シーソーの両端のものをいただく食生活。揺れが大きくとても楽しいのですが、いつ傾くかわからず不安な状態。 対するBちゃんはシーソーの土台部分のものをいただく食生活。揺れが少なく安定している状態。Bちゃんは体調を崩すことが少なく、風邪をひいてもすぐ治るのです。

つまり、中庸の「重ね煮健康料理」を日常の食(ケの食)とすることは 自然治癒力・免疫力が高まることにつながるのです。

中庸の基本は、ごはんとお味噌汁

では「中庸」のものを食べるってどういうこと?どんな食べ物が中庸なの?と疑問がわくと思います。

日本人の朝ごはんの代表格、ごはんとお味噌汁を例にとってみますね。陰性の食材と陽性の食材をひとつの鍋の中で調和させることで「中庸」になるので、根のもの、実のもの、葉のものがしっかり入った具沢山のお味噌汁は中庸です。(食材の陰陽についてはあらためてお伝えしますね。)

また、穀物であるお米も中庸です。「ごはんと旬の多種類の食材の入った重ね煮味噌汁」というシンプルな朝ごはんは、私たち日本人が本来備え持っている自然治癒力や免疫力を最大限に発揮させてくれる食事なのです。

切って重ねて火にかけるだけ「春の重ね煮味噌汁」をご紹介

では、季節の変わり目に私たちの身体を整えてくれる春野菜を使った「春の重ね煮味噌汁」をご紹介しますね。

旬の食材を使うことを意識するだけでも、身体が季節に寄り添ってくれて楽に過ごせるのですよ。

重ね煮調理のお約束は、皮ごとアクごとの一物全体食調理。食材を切って重ねて火にかけるだけの3ステップだから簡単、しかもだし要らず。ですが味わい深くてとてもおいしいですよ。

春の重ね煮味噌汁

【材料と重ね方(5人分)】

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味噌 60g
油揚げ 半分 細切り
ごぼう 20g ささがき
人参 20g いちょう切り
新たまねぎ 80g 薄切り
新じゃがいも 120g(小1個)3ミリ厚さいちょう切り
春キャベツ 80g(1枚)色紙切り
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水3カップ
三つ葉

【作り方】

  1. 鍋に春キャベツから新じゃがいも、新たまねぎの順に重ねていく。
  2. 味噌は一番上に3~4つに分けてのせる。
  3. 分量の水を材料の8分目まで加えて、フタをして中火にかける。
  4. 湯気が出て良い香りがしたら弱火にし、野菜がやわらかくなるまで煮る。
  5. 味見をして、残りの水を足して調整する。
  6. 器に盛り、三つ葉を飾る。出来上がり♡

※アク抜きが面倒で根菜はあまり使わないという方が多いのですが、根菜のアクは旨みです。重ね煮の場合、アク抜きをしない方が美味しく出来上がるのです。ぜひ作ってみてくださいね^^