上海在住のたべぷろ編集部員・井上光晴と申します。
日本で5月5日に祝われる「男の子の節句」「こどもの日」は中国の「端午節」文化が日本に伝えられたといわれています。日本では「こどもの日」といわれています。日本でも関東では柏餅、関西ではちまきを食べるところが多いようですね。
中国の「端午節」ではちまきを食べます。どのようにちまきを食べるようになったかはいろいろな説があります。

中国のちまきは日本のおにぎりだった!?

有力な一説は中国楚の政治家だった「屈原」という人物が川に身を投げ自殺してしまった際に、魚などに遺体を食べられない様にと、楚の国民がちまきを川に投げ入れたことが始まりといわれています。自殺を図ったのが5月5日といわれていますね。

もう一説には中国華南地区の人々が縁起の悪い日である毎年5月5日に穀物の豊作を願って、ちまきの原型でもある竹の筒にお米やもち米を詰めたものを川に投げ込んでいた。という説もあります。

ちまきには様々な形があるが、そもそもどんな食べ物でしょうか?実は中国以外にも東南アジアでは同じようなものがあります。竹、竹の葉は殺菌効果があるようで、いわゆるお米の保存方法として古くから使われている有名な方法でした。日本のおにぎりと似たような食文化ですね。

日本のおにぎりも以前は携帯用として普及していて、細菌が繁殖しない様に丸く握って海苔を巻いたのが始まりだという一説があります。やっぱりなんだか似ていますね。

しかしその後、中国では普段からちまきを食べる習慣が失われてしまいました。実は最近ではほとんどが端午節に集中しています。自分で食べるだけではなく、周りの人の幸せを祈願という意味で、とにかくみんなに配ります。なので、端午節周辺はとにかくちまきをみんなから沢山もらいます。一年分のちまきを端午節に食べる感じですね。

おにぎりはいまでも日本では食べられていますね。昔と違って衛生管理等も技術が発達したおかけで海苔も分けられて売っているのもあるし、そもそも携帯用食品ではないですね。時代とともに変化する食文化。やっぱり面白いですよね。

スタバにまで…中国人は、ちまき好き!?

まずマーケットを見てみましょう。中国でちまきの販売額はなんと90~100億元ともいわれていて、日本円に換金するとなんと約1,485~1,650億円!1個3~4元程度なので、25億個売れていることになります。

日本のおにぎりマーケットが4,000億円程度といわれているので、日本のおにぎりの方が圧倒的に大きなマーケットになっています。マーケットが大きければ大きいほど種類は増えていく傾向にあります。

しかしちまきは上記でも書いたように一年で一回のイベント行事です。それなのに日本のおむすびの半分の種類がいっぺんに販売されます。年に一回のイベントなのにすごいマーケットになっています。

驚くべきことに、スターバックスやハーゲンダッツも中国ではちまきを販売しています。とはいってもお米ではなくて、スターバックスはちまきと同じ形をしたゼリーみたいな食品を、ハーゲンダッツは竹の筒をイメージした容器に入ったアイスクリームを販売しています。完全に端午節に乗っかった商売をしていますね。

ハズレもある?種類が豊富な中国ちまき

一般的にちまきは中にもち米と米を混ぜたものを入れます。日本のおにぎりと違って、4面体のサイコロみたいな形にするものが一般的です。それを蒸して食べます。外の笹の葉のかおりも中のコメにしみついてとても香ばしい香りがして食欲をそそるんです。

日本のちまきはいわゆる炊き込みご飯的なお米が入っているものが一般的で、懐かしい味がします。しかし中国のちまきは一味違います。

肉の角煮が入っているのもあれば、豚肉、鶏肉だけにとどまらず海鮮が入っているちまき、甘いあんこが入っているちまき、までさまざまな種類があります。正直ネタ切れかな?なんて思う種類もあります。

卵の黄身だけが中に入ったちまきや、なかに肉の粉?がはいったちまき、を筆頭によくわからない中身も多く、正直おいしくないものも多く存在します。一応中国の人にも聞いてみましたが、やっぱりはずれはあるみたいです。

しかし、一年に一回のお祭りなので、みんながちまきに手を伸ばし、おいしいやらまずいを言い合いながらみんなで楽しく過ごします。中国の食文化は円卓文化でもあるように、みんなで集まり、みんなで騒ぎながら食べるのが一般的ですね。

(まとめ)
中国は歴史がとても長いので、様々な歴史的文化が残っています。食文化も多く残っているので、ぜひあなたにも体験してもらえればと思います!歴史的にはとても文化的な交流が多かった中国。食べ物を通して文化を紐解いていくのも面白いかもしれませんね!