子どものようにいろいろ食べたい…洋食屋の「大人のお子様ランチ」
日本の三大酒どころの一つ、京都伏見。造り酒屋が集まる街の中に、「大人のお子様ランチ」を提供する「洋食屋コートレット」がある。大人だって、子どものように、エビフライやハンバーグ、クリームコロッケ、ヒレカツなどいろいろ食べたいという欲求をかなえてくれるメニュー。ネーミングのセンスも光り、近隣からだけでなく、遠方からも訪れる人気メニューとなっている。
「また食べたい、人に伝えたいと思える料理」
「大人のお子様ランチ」の特徴は、洋食で食べたい料理が、ワンプレートにのり、そのどれもが質の高いことにある。ピンと凛々(りり)しく立ったエビフライは、甘味があり、頭からも食べられる硬さ。ハンバーグは、わざと大きめの肉の塊を入れ、肉のボリュームが楽しめる。
カニクリームコロッケは、カニの身がゴロゴロ入り、ヒレカツも軟らかい。どれもが、オーナーシェフの黒河内聡さんが、上質とおいしさを追求した味わいだ。人には好みがあるものの「どれか一つは心に残って、また食べたい、人に伝えたいと思える料理」を目指してるという。
質の高さを大切に、あえて子ども向けはなし
フランスで修業をし、ホテルでも経験を積んで、「全国料理コンクールフランス大使夫人特別賞」を受賞した本格派シェフの黒河内さん。開業すると決めたときは、業態を決めないまま物件を探していた。フルコースを出すフランス料理店も考えたが、決めた場所が、駅から遠く、近くには工場やオフィス、住宅もある場所。隣の持ち帰り弁当店が繁盛していたため、持ち帰り弁当も提供でき、あえてターゲットを絞り込まない老若男女が入りやすい洋食屋に決めた。
ハンバーグや豚カツ、カレー、タンシチューなどもあるが、約40%が「大人のお子様ランチ」を注文する、ダントツの人気。あえて、子ども向けのお子さまランチはない。質の高さを大切にしているため、作り置きや間に合わせのメニューを作るくらいなら、やらない方がいいと判断した。
昨年10月に、駅から徒歩5分の現在の場所に移転をした。今後は、もっとメニューを絞ったハンバーグ専門店やオムレツ専門店など、分かりやすい専門店の展開も考えている。黒河内シェフは、「人を育てつつ、クオリティーの高いものを提供していきたいですね」と語る。
「洋食屋コートレット」所在地=京都府 京都市伏見区中油掛町94プレアデス桃山1階/開業=2011年11月/営業時間=ランチ11時~午後3時、ディナー5時~10時(LO9時)/坪数・席数=30坪・38席/1日平均客数=約200人/平均客単価=約1,500円
◇外食レストラン新聞の2017年5月1日号の記事を転載しました。
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