こんにちは。礼儀作法研究家の岡田弥子です。皆さんGWをいかがお過ごしでしょうか? 5月5日の端午の節句には、鯉のぼりや五月人形を飾り、ご家族やおじいちゃん、おばあちゃんを交えて子どもや孫の成長を一緒に祝われた方も多かったのではないでしょうか?
私にも中3の息子がおります。健康でたくましく育ってほしいという願いから、いまだに毎年かぶとの5月人形を飾っています。柏餅を食べたり、菖蒲湯に入ったりもしました。
今回はこどもの日の風物詩「柏餅」と「菖蒲」についてふれたいと思います。

柏餅はモチじゃない?

柏餅は名前に「モチ」がついていますが、実はもち米は使われていないのをご存知でしたか? 上新粉という、うるち米を加工した粉に熱湯をそそぎながら練って蒸すのが一般的です。そして、江戸で生まれた日本独自の和菓子なんですよ。今では餡、味噌餡の他にチョコレート、カスタードなどもあるんですね。

こどもの日の行事に、なぜ柏餅を食べるの?

柏餅を食べる理由は、縁起物だからです。柏の葉は新芽が出るまで古い芽が落ちない!ということから、「子どもが産まれるまで親は生きている」「子孫繁栄」の意味、また柏の木は家系が代々絶えない縁起の良い木とされているからです。

また、地域によっては柏餅ではなくチマキを食べるところもあるようですね。

柏餅といえば柏の葉に包まれていますが、この葉っぱ、皆さんは食べますか? 桜餅の葉は塩漬けされて薄く食べられるのに比べて、柏の葉は食用には向いていません!

私も食べてみましたが、硬く筋張っていて、お世辞でもおいしいとは言えません‼

ただ、小さいお子さんが食べてしまっても害はありませんのでご心配なく。また、柏の葉には殺菌作用や保湿効果、手を汚さずに食べられる等の利点もあるんですよ。

菖蒲湯に入って成長をお祝いしましたか?

なぜ菖蒲を使うかというと、武道・軍事を大切にする武士である尚武(しょうぶ)と同じ読み方であること。また菖蒲の葉は先が尖っていて剣のように見えるということ。男の子の行事なので、【菖蒲=勝負】と語呂合わせでも知られています。お風呂にどのように入れるかは各人様々ですが、子どもの健やかな成長を願い、お祝いすることに今も昔も変わりませんね。

このような年中行事(歳時)の意味をお子さんに伝えて、日本の伝統文化をいつまでも繋いでいってほしいと思います。