サントリースピリッツが、シロップとソーダを使った生搾りサワーで、テキーラの新しい飲み方を提案している。昨年末から一部の料飲店でテスト展開してきた「サウザファームサワー」の提案を、今年から本格化。年内に1300店ある取扱店を2000店まで増やす考えだ。「テキーラの“罰ゲームで飲む酒”というイメージを変え、自由に楽しく、ゆっくりと飲む世界を生み出したい」(清水悟ウイスキー・輸入酒部課長)と意気込む。

日本のテキーラ市場は15年時点で23万ケース(8.4L換算)。06年比で7割増えているが、ショットグラスで一気に飲む強い酒というイメージが強く、飲む場所も音楽系のクラブなど一部に限られがちだった。

新たに提案する「サウザファームサワー」は、原料にブルーアガベだけを使ったプレミアムテキーラの「サウザ ブルー」をベースとする。専用のプラスチックボトルに「サウザ ブルー」を30ml、シロップ10mlを入れ、新鮮な果物や野菜を加えた後、氷をぎっしりと入れ、ソーダを注ぐというもの。

グレープフルーツを使った「グレフル」のほか、「トマト」「きゅうり&レモン」「パクチーライム」などがあり、メーンターゲットである20~30代の女性へ提案する。テスト展開では「見た目がカラフルでかわいい」「飲みやすくておいしい」と、従来のテキーラのイメージを塗り替えることに貢献している。提供価格は1本500~800円ほど。

17年は「サウザ」ブランド計で前年比3%増となる年間4万2000ケース(9L換算、以下同)、けん引役に位置付ける「サウザ ブルー」は48%増の4043ケースの販売を計画する。

直近の1~3月では、「サウザ ブルー」が44%増。ブランド計では7%増の9134ケースと「ほぼ計画通り」(清水氏)の伸びを示している。

◇日本食糧新聞の2017年5月1日号の記事を転載しました。