佐賀のナゾの県民食「てんぷらちくわ」【7月23日は、天ぷらの日】
佐賀県神埼市在住のほどほど頑張る料理好きライター・イワハシです。突然ですが、日本が世界に誇る「和食」と聞くと何を思い浮かべますか…? 寿司か天ぷらを思い浮かべたのではないでしょうか?
外国人も知っている日本の代表的な和食のひとつに「天ぷら」があります。7月23日は「天ぷらの日」と制定されており、二十四節気の「大暑」にあたる7月23日に天ぷらを食べて元気に過ごそう! という日となっています。
今回はそんな「天ぷらの日」にちなんで、九州地方の「天ぷら」と関東地方の「天ぷら」のおもしろい違いや佐賀県の郷土料理「てんぷらちくわ」などについてご紹介します!
関東地方の「天ぷら」と、九州地方の「天ぷら」ってちょっと違うって知っていますか?
「天ぷら」と聞くと、関東地方の人は魚介や野菜に薄く衣をつけてさっくり揚げた食べ物をイメージする人も多いと思います。
もちろん九州でもその料理は「天ぷら」です。では、上の画像の食べ物は何でしょうか?
おそらく多くの人が「丸天」と答えているでしょう。もちろんそれも正解なのですが、実は私が住む佐賀県はもちろん九州の広い地域で、この食べ物は「天ぷら」とも呼ばれています。
もっというと、魚のすり身を揚げたものを「天ぷら」といいますので、関東の人が「さつま揚げ」と呼ぶ食べ物も「天ぷら」という人もいます。おもしろい文化の違いですね。
スーパーでも表記が「天ぷら」になっているところも
信じがたいと思う人もいるかも知れませんが、私が購入したスーパーでもこのように陳列されています。
パッケージには「ごぼう天」と書かれていますが、商品紹介の紙にはでかでかと「天ぷら」との表記。全国的には「ごぼう天」のほうが通用するかもしれませんが、ローカル的にはこれらも「天ぷら」であるということがおわかりいただけましたでしょうか。
若い人はどちらかというと全国に通用する「丸天」で知っている人が多いですが、ご年配の方は「天ぷら」と呼ぶ人も多く、私も「天ぷら買ってきて」と頼まれて海老や野菜の「天ぷら」のほうを買ってきてしまうということも経験しました(笑)
そんな九州地方の「天ぷら」を九州人はどのように食べているのか、佐賀県ならではの料理もあわせて紹介したいと思います!
福岡・博多でも有名! 出汁との相性が抜群の「天ぷらうどん」で食べよう!
私は佐賀県以外に福岡県にも住んでいたことがありますが、福岡・博多で有名なのが「天ぷらうどん」です! お店では「丸天うどん」と表記しているところもありますが、もちろん「天ぷらうどん」と表記しているお店もありますので、注文するときは気をつけましょう。
天ぷらは出汁との相性が最高です。一緒に煮込めば天ぷらのうまみが出汁に染みてきて出汁が美味しくなり、反対に天ぷらは出汁をたっぷり吸い込んで柔らかくジューシーになります。
写真では上から乗せただけですが、おすすめは出汁に沈めるか、出汁を作る時点で一緒に煮ておく方法です。特に、煮ておくとかなり食感がふわふわになりますので、ぜひお試しください!
食べたことはあっても名前を知っている人は少ない、佐賀県の謎の県民食「てんぷらちくわ」
おばあちゃんがいる家庭なら、一度は食べたことがあるであろう佐賀県の郷土料理が「てんぷらちくわ」です。よく地域の集まりや体育大会のなど大勢が集うイベントなどに登場しているおかずなんです。
なぜか「てんぷらちくわ」という名称は、佐賀県民全体には普及していないのですが、非常になじみ深い郷土料理です。
もちろん「てんぷらちくわ」といって、ちくわを天ぷらにしたものではありません。簡単にいうと、佐賀県のてんぷらちくわは「天ぷら(丸天)とちくわを甘辛く煮た料理」です。
作り方も非常に簡単ですので、紹介したいと思います。
「てんぷらちくわ」の作り方
家庭の味なので味付けなどは差が出るのですが、材料は非常にシンプルです。食材は天ぷらとちくわのみ。後は調味料などばかりですね。詳しくは以下の通り。
【材料】
・天ぷら(丸天) 1枚
・ちくわ 1本
・醤油 大さじ3
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・水 200ml
※分量はあくまで目安です。分量を調節してご自身の家庭の味のてんぷらちくわを完成させましょう。
【作り方】
天ぷらとちくわを適当な大きさに切ります。切り終われば、あとは材料をすべて鍋に入れて煮込むだけ。
お好みで鷹の爪を入れても美味しくなります。練り物なので火の通りも味の染み込み方も早く、急いでいる方は10分程度でも大丈夫です。もちろん長く煮込むほど染み込みますよ。
できあがりがこちらです。最後にごまを振って風味づけをしています。ふわふわに仕上がった天ぷらとちくわは、醤油と砂糖で甘辛く味つけた煮汁をたっぷりと吸い込んでいますので、しっかりとした味わいです。
濃いめの味つけになることが多い料理なので、ご飯のお供はもちろん、お酒のおつまみにもぴったりです。おうちで晩酌するときや家飲みするときなどのおつまみにも。個人的にはお酒、特によく冷えたビールと一緒に食べる食べ方がおすすめです。
「天ぷらの日」には、もちろんさっくりとした衣に包まれた天ぷらも美味しくて最高ですが、そのお供に丸天……ではなく「天ぷら」も添えてみてはいかがでしょうか?
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