前回に続いて納豆の食べ方や栄養についてご紹介します。「地中海式和食」という、地中海型食生活(地中海沿岸の地域で食べられる、魚介類、緑黄色野菜、オリーブオイルをメインにした食事)と和食の良いところを組み合わせた食生活を提唱する人たちがいます。以前私が編集していた雑誌「食生活」でご執筆いただいた松生恒夫さんは、納豆1パックにオリーブオイルをひとたらし加える食べ方を推奨していました(『「地中海式和食」のすすめ』講談社+α新書)。
オリーブオイルの抗酸化作用のほか、納豆のビタミンK2は脂溶性ビタミンですから、油と一緒に摂ると体内に吸収されやすいというメリットもありますね。

めかぶと混ぜて、さらにネバネバに

前回の記事はこちら
納豆は炒めない!納豆チャーハンのおいしい食べ方【レシピ付き】

もう1品、簡単な料理を。メカブと納豆を混ぜ、添付のタレかめんつゆを合わせただけのものです。これはネバネバの相乗効果で、おいしくいただけました。

このメカブ納豆にマグロのぶつ切りを加えて和えると、ちょっとしたご馳走になります。メカブと納豆のヌルヌルがいい仕事をしています。美味です。

納豆はビタミンK2が豊富

納豆のナットウキナーゼもネバネバ成分も健康効果を示す根拠はないと前回申し上げましたが、納豆で特筆すべき栄養素として、たんぱく質のほかにビタミンK2が豊富なことも、覚えておくべきでしょう。

ビタミンK2は脂溶性ビタミンの一種で、骨粗鬆症の予防が期待される成分です。公益財団法人長寿科学振興財団のホームページにも、「骨に存在するオステオカルシンというたんぱく質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用があります」と書かれています。

ビタミンKの働きと1日の摂取量   健康長寿ネット

また、納豆を食べない都道府県と骨粗鬆症患者の多い都道府県の間には、正の相関関係があることも知られています。

出典:
矢田貝智恵子、須見洋行「骨粗鬆症予防のために納豆でできる骨対策」食生活95巻10号(2001年10月号)

だからと言って納豆をたくさん「薬食い」することはお勧めしません。先述した通りビタミンK2は脂溶性ビタミンですから体内に蓄積されやすく、水溶性ビタミンのように絶えず摂り続ける必要はないからです。むしろ蓄積による過剰症もありますから、健康効果が期待できるからといって食べ過ぎないように注意しましょう。

栄養成分は一つの食品から摂るのではなく、いろいろな食品を組み合わせて適量をおいしく摂るのが基本です。シンプルに白いご飯と納豆の組み合わせは、飽きることのない鉄板の定番かもしれませんが、日々の献立のバリエーションの中に、ご紹介した納豆料理をプラスしてみてはいかがでしょう。

納豆をパッケージから簡単・キレイに取り出す方法

先日、テレビで「納豆をパッケージから簡単・キレイに取り出す方法」が放送されていました。納豆のパックの中には、納豆の上には薄いフィルムが被せられていて、納豆が空気に触れるのを適度に防いでいます。

ところがこのフィルムを剥がすとき、フィルムに納豆が数粒こびりついてしまうのが嫌な方はいらっしゃいませんか?そこで、そうならない方法をお教えしましょう、ということで、再現フィルムが流れました。

どうするのかと見ていたら、フィルムの真ん中あたりに割り箸を垂直に立て、グルグルと回して箸にフィルムを巻きつけて外していたのです。確かに、再現ビデオではこの方法は成功していて、フィルムに納豆がこびりつくことはありませんでした。しかし、もっと簡単にフィルムをキレイに剥がす方法もあるんです!

<1>まず、パックの蓋を開けます。

<2>フィルムの端を引っ張ってパックの外に持っていきます。

<3>パックの蓋を閉め、蓋を押さえつけながら、フィルムの外に出た部分を引っ張り、剥がします。

<4>フィルムには一粒も納豆がついていません。あっという間です。成功です。

きっとこれだけだと、テレビで取り上げるには簡単すぎて、絵的にもおもしろくないので割り箸グルグルという知恵が採用されたのでしょう。なお、納豆のパッケージには底の深いカップ型もありますが、そちらなら割り箸グルグル方式が有効かもしれません。

納豆のパックに限らず、キッチンの中には難儀することがほかにもいろいろとあります。例えばラップフィルムがうまく剥がせないなどです。手を水で軽く濡らしてロールの表面を巻き取るように回しながら触ると、こびりついたフィルムの端が簡単に剥がれるという方法がネットでは紹介されていました。

そういったことをストレスに感じながらも、我慢してキッチン作業をしていませんか。しかし、その解決法は検索したり仲間との会話で解決することも多いです。小さなストレスも、積もり積もれば大きなストレスになりかねませんので、その解決の糸口を探っていきましょう。