イタリアワイン初心者におすすめの銘柄&おいしい飲み方【6月2日は、イタリアワインの日】
イタリア在住フードライターの鈴木奈保子です。今回は「イタリアワインの日」の話題です。イタリアワインの魅力をもっと知ってもらおうと、イタリア大使館とイタリア貿易振興会が制定しました。6月2日は、イタリア王国がイタリア共和国となった共和国記念日であり、イタリア人にとって特別な祭日です。
ここでは「イタリアワインの日」にちなみ、初心者でもわかるイタリアワインの美味しい飲み方、選び方、そして気軽に飲めるイタリアワインをご紹介します。
イタリア人の食卓には、イタリアワインが欠かせない!
イタリア料理は、今ではブームではなく、すっかり日本の食事にも定着した感もありますが、イタリアワインはとなるとまだ身近なものとは言い難いです。ワインはオシャレで特別な飲み物とか、どういう飲み方をするのかよくわからないといったイメージが、まだまだ根強いのかもしれません。
ところがイタリアでは、ワインは特別なレストランで気取って飲むものではなく、古くから「良いワインは良い血を作る」と言われてきたように、毎日の食事に欠かせない食べ物のような存在です。
それというのも、気候が温暖なイタリア半島はブドウの栽培に適しているので、ブドウの品種が多く、ワインの生産量が世界一です。普通の人でも、手軽に毎日飲むことができる値段で手に入ります。
イタリアワインの本場の飲み方は?
ワインの飲み方というと、ワイングラスをくるくる回して香りを嗅いだり、口に含んで“ぐちゅぐちゅ”して、思い入れたっぷりに感想を言うソムリエの姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
ところが、心配はご無用です。フランスワインのようにワインだけをじっくりと味わうわけではないので、イタリアでは、そういう仕草をしながら飲んでいる人はほとんど見かけません。
実際、イタリアの庶民的なレストランでは、地元のハウスワインがガラスや陶器の容器に入った出てきます。さらに華奢なワイングラスではなく、どっしりとしたワイングラス、もしくは普通のコップで、ワインを飲みながら楽しそうに食事をしています。
イタリアワインは食事の味を際立たせる飲み物なので、食事と一緒に飲む、というのが本場イタリアのワインの飲み方です。
赤ワインと白ワインどちらがおすすめ?合わせる料理の選び方は?
ワインには、大きく分けて白ワインと赤ワインがあります。どちらを選ぶか迷うところですが、合わせる料理によって基本的なルールがあります。
まず、白ワインは緑色のブドウの果汁のみを発酵させて作ります。フルーティーな風味が強く酸味のバランスもいいので、口当たりがよいのが特徴です。
甘みがあって苦みが少ない白ワインは、一般に魚料理や鶏肉などのあっさりした料理とよく合います。白身のお魚の刺身やお寿司など、繊細な味わいの日本食との相性もぴったりです。
一方、赤ワインはブドウの皮や種も果汁と一緒に発酵させるため、タンニンと呼ばれる独特の渋味があります。赤ワインの中には、タンニンが少ないために軽く飲みやすいものから、長期熟成のどっしりしたタイプまで幅広い種類があります。
赤ワインと相性がいいのは、牛肉などのしっかりした味わいの料理です。面白いことに、お醤油の味との相性も抜群ですから、こってりした和食とも合わせてみてください。
飲みやすいおすすめのイタリアワイン
では、実際にワインを選ぶ目安になるように、比較的飲みやすいおすすめのワインの銘柄をご紹介します。
白ワインなら、ヴェネト地方で作る「ソアーヴェ(Soave)」がおすすめ。酸味と甘みのバランスが絶妙なイタリアを代表する白ワインです。特にあさりのスパゲッティとの相性は抜群です。
もう一本は、最近人気急上昇中のシチリアワイン「インツォリア(Inzolia)」。夏にしっかり冷やして、魚介のマリネなどと一緒に飲みたいですね。
ピエモンテ地方の「ガヴィ(Gavi)」は、柑橘系の香りと繊細でシャープな味わいが魅力のワイン。舌ヒラメのムニエルなどと合わせてみてください。
またイタリアを代表する赤ワイン、トスカーナ地方の「キャンティ(Chanti)」は、ベリーの香りが華やかで、赤ワイン特有の渋味がほどよく、軽やかで飲みやすいです。生ハムやステーキなどの肉料理、トマトのスパゲッティなどとご一緒に。
プーリア州の「プリミティーヴォ(Primitivo)」も、南イタリアらしく果実味たっぷりで、タンニンが柔らかいワイン。こちらもお肉やトマトソースのお料理と合います。
相性のいい料理と組み合わせて飲むのが、美味しいワインの飲み方です。相性ピッタリだと、ワインも料理もますます美味しくなります。
もちろん味覚は個人の好みなので、お気に入りのイタリアワインの組み合わせを探して、イタリアワインを気軽に美味しく楽しんでください。
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