沖縄名物のお菓子といえばサーターアンダギーやちんすこうが有名ですが、公設市場周辺で売られている、地元のおばあ達から長年愛されている素朴で懐かしい味わいの茶菓子も実はおすすめなんです。

公設市場周辺にある老舗菓子店

はじめて沖縄を訪れる観光客ならば、おそらくほとんどの人が訪れるであろう牧志第一公設市場。どこか日本ではないようなディープな雰囲気の市場には、赤や青などのカラフルな魚やさまざまな部位の豚肉などが並び、ぶらぶらと見て歩くだけでも楽しめる定番の観光スポットです。

そんな市場周辺のアーケード街にはお土産店がびっしりと軒を連ねていますが、合間にポツポツと昔ながらの商店も元気に営業を続けています。

赤い庇が目印の『松原屋製菓』では、プレーン、黒糖、紅芋など沖縄らしいさまざまなフレーバーのサーターアンダギーをひとつから購入可能。外側はサックリ、中はふんわりのやさしい味わいで、思わず顔がほころぶ美味しさです。

サーターアンダギー以外にも、黒糖ぼうろのような素朴な味わいのクンペン(コンペン)や、米粉と山芋を使った生地がふんわりと甘いかるかん、アメリカ文化の影響を色濃く受けた沖縄ならではの昔ながらの洋風ケーキなど、他の地域ではあまり見かけない独特なお菓子が並んでいます。

観光客に混じって地元のおばあ達がお店の人とのユンタク(おしゃべり)ついでにふたつ、みっつとお気に入りのお菓子を手にし「今日はこれだけもらっていこうかね〜」と微笑む光景に、地域の人々から長年愛されている菓子店だということが伝わってきます。

お祝い事にも欠かせない沖縄のお菓子

また婚礼や長寿祝いなどのお祝い事にも欠かせないのが沖縄のお菓子。鮮やかなピンク色の帯がくるっと結ばれたようなかたちをした松風(マチカジ)や、片側がふくらんだ平たい揚げ菓子のカタハランブーなどはその代表格。

ウチナーンチュでも日常的に口にするものではありませんが、市場周辺の菓子店では店頭に並んでいることも。見かけたら是非ともチャレンジしたい、おめでたいお菓子です。

その他にも、里芋のような食感をもつ沖縄特産の田芋(ターンム)の餡をチョコレート風味のブッセ生地でサンドした田芋チョコバーガーや、りんごジャムと冬瓜(トウガン)の餡を使用したアップル饅頭、桃の形をした饅頭生地の中に白ごま餡が入ったもも菓子など、和・洋・琉のエッセンスが絶妙にチャンプルーされた、ここでしか出会えないであろう沖縄独特のお茶菓子が並んでいます。

素朴でなんだか懐かしい見た目と味わいが楽しめる沖縄のお茶菓子。沖縄のジャスミンティー、さんぴん茶との相性もぴったりです。

どれも手頃な値段でひとつから購入できるので、公設市場に行かれた際には周辺にある昔ながらの菓子店も是非のぞいてみてください。どれにしようか迷ったときはお店の方に尋ねてみると、いろいろ親切に教えてくれますよ。