「洋菓子のオリンピック」日本代表が金メダルへ一丸
世界最高のスイーツ国際大会「クープ・デュ・モンド」の日本代表が3月下旬、決定した。女性初の代表入りを果たした西山未来氏(スタジオ・シュゼット)をリーダーに、個人経営オーナーシェフとしては初となる伊藤文明氏(パティスリー メゾンドゥース)、若手トップパティシエの一角とされる小熊亮平氏(グルメ和光)の3人が国内予選を突破。さらに2度の代表歴を持つ五十嵐宏氏が団長に就く。日本代表は過去3大会連続で準優勝。世界最強の団結力で07年大会以来3度目の金メダルを狙う。
初の女性代表がリーダーに
一次審査を通過した23人で行われた国内予選では、「アントルメショコラ、飴細工」「アシエットデセール、チョコレート細工」「アントルメグラッセ、氷彫刻」の各部門ともにハイレベルな作品が出揃った。
最終予選は東京五輪を見据え、「スポーツ」または「サーカス」がテーマ。ピエスでは人間や動物、飛行機など例年以上に迫力満点の作品が目立った。
赤羽根健吾氏(帝国ホテル)や永宗喜昭氏(二葉製菓学校)など世界大会での優勝経験を持つ選手も多く、会場の東京製菓学校は緊張感に包まれ、窓越しでの見学者も数多く集まった。
代表団は19年1月にフランスで開催される本選に出場。アシエットデセール・チョコレート細工部門の西山リーダーは「チーム一丸で残り10ヵ月、悔いを残さずやり抜く」と本選を見据え、アントルメショコラ・飴細工部門の伊藤氏は「チームJAPANとして結果を残す」と決意を表明。
伊藤氏と親交の深いアントルメグラッセ・氷彫刻部門の小熊氏は「伊藤さんとこの舞台に立つことを目標にしてきた。西山さんをリーダーに最高のパフォーマンスで優勝したい」と意欲を示す。
「クープ・デュ・モンド」は“洋菓子のオリンピック”として隔年で行われ、最も有名な国際コンクールとして知られる。日本は89年の第1回から参加しており、第2回(91年)、第10回(07年)で優勝している。
しのぎを削るのは、最多優勝のフランスを筆頭に伝統国のベルギー、独自の感性で会場を沸かすイタリア、近年台頭する米国、アジア勢などで、数多くのドラマが生まれている。
歴代代表には加藤信氏(第1回代表、洋菓子工業会理事長)や辻口博啓氏(第5回代表、モンサンクレール)など重鎮が並ぶ。今回団長を務める五十嵐氏は代表史上唯一の連続出場経験者に当たる。
代表チームは今後、4月にはデセール3点のレシピを各自で作成。晩夏までにピエスを作り込む予定。本選の競技規則や出場日、出場ブースなどの詳細が決定次第、これまでの作品を見直して改良し、10月には最終形が完成する見込み。さらに本大会まで練習を積み重ね、精度を高める方針。
東京五輪よりいち早く、日本に金メダルを–本選は10時間の団体戦で技能・英知・団結力すべてが要求される。世界最高峰の国際大会に挑むチームJAPANの活躍に期待だ。
◇日本食糧新聞の2018年4月11日号の記事を転載しました。
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