抹茶蕎麦をボロネーゼ・ソースで!テキサスで人気の洋風蕎麦
テキサス州の大都市、ダラスにある「貞庵」は、ハイエンドの日本料理店。「ジャパニーズ・ソバ・ハウス」と名前が付くからには、蕎麦(そば)が専門だ。オーナーの桜井氏は、蕎麦の専門店をオープンするために、同市で開業していた寿司や炉端焼きの店を売り払い、日本に一時帰国して修業し、2008年に同店をオープンした。蕎麦粉8割、小麦粉2割の割合の蕎麦を手打ちするところは、カウンターから石庭越しに、ガラス窓を通して見ることができる。
ユニークな蕎麦サラダも
当時は、まだ蕎麦はテキサスの人々に知られていなかったことから、カルボナーラやカレーなどの蕎麦をメニューに加えた。なにしろ、日本の約2倍の面積もあるテキサスといえば、バーベキューやTex-Mex(アメリカ料理とメキシコ料理のフュージョン)などで知られ、人々はミート&ポテト(肉とジャガイモなどのシンプルな料理)を好むとされる。
肉食の好きな一般のテキサス人にとっては、麺をつゆに付けて食べるシンプルな炭水化物がメーンの料理は、新鮮な食体験であったに違いない。
人気の一つ、ショートグリーン・ソバ・ボロネーズは、抹茶を加えた蕎麦を和州牛(日本の但馬牛とアメリカのブラックアンガス牛を掛け合わせ、アメリカで育てた肉牛)を使ったボロネーゼ・ソースで絡めた蕎麦だ。コクのあるミートソースと淡泊な蕎麦がうまくマッチした、人気メニューの一つ。「リッチなおかつエレガント」という評。
マイクログリーン・ソバ・サラダは、さっぱりした冷たい蕎麦サラダ。マイクログリーンは、日本ではまだ広がりがないが、スプラウト(発芽したばかりの新芽)と成長した野菜の間にある、ベビーグリーン前の若い状態のグリーンのこと。
色や形状、香り、食感など、視覚にも味覚にもバリエーションを付け、高級レストランがサラダやスープなどに使っている。収穫サイクルが短く、栽培面積も小さくて済むので、これから日本でも流行するかもしれない。このマイクログリーンを使った蕎麦サラダは、淡泊な蕎麦を鮮やかなマイクログリーンの風味が引き立たせる、新鮮でヘルシーな逸品だ。
サクサクの天ざるも人気
ショート・グリーンソバ・ウィズ・カレーソースは、スモーキーな風味のスープのようなカレーソースがナッツ風味の蕎麦にぴったりという評判のカレー蕎麦だ。
しかし、今では、蕎麦の知名度も上がり、オーセンティックな蕎麦もポピュラーになり、パリパリ、サクサクとした天ぷらの天ざるや、クルミ、ペカン、醤油、黒ごまの4種類のタレで食べるソバ・サンプラーは、最も人気が高いメニューアイテムに躍り上がった。
また、人気デザートのソバ・アイスクリームは、黒蜜がたっぷり注がれた器に、蕎麦のアイスクリームが富士山のように盛られ、頂上にきな粉がたっぷりかかっている。ナッティー(木の実のような)蕎麦の風味が舌に拡がり、黒蜜ときな粉とのバランスが絶妙。
同店では、蕎麦の他、寿司や刺し身などもメニューに挙げている。蕎麦の他に名高いのは、おまかせで、100$、150$、200$のコースがある。また会員制のルーフトップでは、よい季節のときには、ジャズを聴きながら、食事を楽しむことができる。
<人気料理>
天ざる 20$
ショート・グリーンソバ・ウィズ・カレーソース(カレー蕎麦) 15$
蕎麦サンプラー 12$
◆店舗情報
貞庵(Tei-An Japanese Soba House)
所在地=1722 Routh Street Suite 110 Dallas Texas
◇外食レストラン新聞の2018年3月5日号の記事を転載しました。
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