イオン九州は4~5日、イオン佐賀大和店とイオン筑紫野店で佐賀大学農学部応用微生物学研究室のオリジナル清酒「悠々知酔」の先行販売会を実施した。販売会では同大学の学生自ら売場に立ち、来店客へ商品PRを行った。

同商品は2006年から佐賀大学が地域貢献事業の一環として、県内酒造メーカーと連携して製造。それぞれの個性が生きるよう蔵元は2年ごとに変更となっており、今年の商品は佐賀県鹿島市の矢野酒造で製造されている。

原料米には、佐賀大学農学部附属アグリ創生教育研究センターで収穫した「さがびより」を使用。酵母は同研究室で独自に分離したものを使った。

佐賀大和店の販売コーナー

酒質(味、香りなど)の決定から、麹造り、仕込みなどの工程に学生が参加。ものづくり全体を体験したうえで、売場に立ち顧客の反応に直接触れる。

若い人に飲まれる酒を目指し、最初は学生同士で意見を出し合うところからスタート。蔵元と連携する過程では、日ごとに変化する微生物を見極める蔵元の力に感銘を受けたり、新しい酵母を提案し蔵元に認めてもらうことに喜びを感じたりと、さまざまなドラマがあった。

イオン九州では地域の特産品を紹介し、販路拡大や知名度向上を図ることで地域経済の活性化に取り組んでいる。

「悠々知酔 純米吟醸おりがらみ生」は3日に発売。それ以外のものについては、16日以降、順次発売予定。

同社は今年、佐賀県下の4店舗(イオン佐賀大和店・イオン唐津店・イオン上峰店・イオンSuC佐賀店)と福岡県下の1店舗(イオン筑紫野店)で合計1300本の販売を目指す。

◇日本食糧新聞の2018年3月9日号の記事を転載しました。