“たべ鉄女子”の監修をしている鈴木里加子です。地方名物は全国に多くありますが、意外と知られていないのが東京名物ではないでしょうか。昔から「江戸野菜」と呼ばれ、親しまれてきた東京の野菜たちを知っていますか? なかでも近年話題となっているのが、内藤とうがらし。そんな内藤とうがらしを使った「新宿弁当」を、創業100周年を迎えた老舗駅弁屋「丸政」さんが開発! いったいどんなお弁当なのでしょうか。

彩り豊かな甲州・信州の献立と東京のコラボ

「新宿弁当」は、新宿名物である内藤とうがらしをいかして作られた、まさに東京の新・名物弁当。東京から旅行に出かける方、あるいは東京に旅行に来た方も楽しめるお弁当となっています。

新宿名物「内藤とうがらし」と山梨の老舗駅弁屋「丸政」さんのコラボ弁当が登場。レトロな掛け紙が目印です

気になる献立は、まず、内藤とうがらしをアクセントにした原木採り椎茸煮。こちらは、新宿弁当を製造している丸政さんの自慢の一品であり、椎茸のうまみとぴりっとした内藤とうがらしのやさしい辛味がマッチしています。

ほかに注目すべきなのは、信州、甲州にちなんだ献立たち。信州名物の野沢菜で作る野沢菜炒めや、甲州名物のソースかつ、甲州煮、甲州小梅のごはんなど、さまざまな信州・甲州名物をいただくことができます。

丸政さんは山梨県の駅弁屋さんであるため、地元の特産品をいかしつつ、新宿名産を取り入れた献立となっているのです!

ふたを開けてみると、彩り豊かな野菜、肉、魚が並ぶ華やかな献立

素材をいかす、老舗駅弁屋の伝統のなせる業

新宿弁当を製造している丸政さんは、素材をいかしたお弁当作りがとっても得意。「地元の野菜たちをフレッシュに届けられないか」と試行錯誤し、現在では生野菜入りの駅弁を提供するほど、素材にこだわっています。

以前のインタビュー記事はこちら

フレッシュな生野菜をあえて入れた理由は? 創業100年の老舗が作るロングセラー駅弁の秘密【たべ鉄女子:高原野菜とカツの弁当】

今回の新宿弁当では、原木採りの椎茸はもちろんのこと、フレッシュな巨峰の寒天や信州のりんごを使ったたれでいただく牛炭火焼肉など、地元の特色をとても大切にしていることが伺えるラインナップ。こうした素材へのこだわりこそが、今回の内藤とうがらしをいかすお弁当作りにもつながっています。

内藤とうがらしは、辛味はもちろんのこと、だしとしても使えるほど素材の風味も抜群。この駅弁では、椎茸のうまみをさらに引き出す食材のサポート役としても大活躍しています。どの素材と組み合わせればおいしいのかをわかっている丸政さんだからこそ、今回の魅力あふれるお弁当が実現しました。

チキンカツが人気の丸政さんが提供してくれるソースカツは、濃厚な味わいでご飯にも合います

一度は食べてみたい!新宿名物「内藤とうがらし」とは?

東京に暮らしている方も、そうでない方も、内藤とうがらしをよく知っている人は、意外と少ないかもしれません。現在は新宿名物として注目されていますが、江戸時代から近年まで400年ほど、栽培がされていなかった時期があるからです。

内藤とうがらしは現在、都内の専業農家をはじめ新宿区内の企業や店舗も加わり、積極的に栽培をおこなっている注目の野菜

もともとは江戸時代、宿場町である内藤新宿(現在の新宿御苑近辺)で育てられていた内藤とうがらし。当時はそばが流行していたため、薬味などとして親しまれていました。

あまりに人気だったため、「真っ赤なじゅうたん」と呼ばれるほど、一面に栽培されていたそうです。ところが、その後は宿場がどんどん繁栄していき、栽培は都下へと移行。やがて鷹の爪など辛味の強い輸入品に押され、内藤とうがらしの栽培は衰退していってしまいました。

そして現在、新宿の名物を再度盛り上げよう!ということで2010年に「内藤とうがらしプロジェクト」が発足! 栽培を復活させ、新宿区内で内藤とうがらしを販売するブースを作ったり、イベントを開催したりと大変な盛り上がりを見せています。

バル辛フェスタ受付の様子。1ドリンク&1フードチケットが4枚綴りになっており、お得&気軽に高田馬場の飲食店を巡ることができます。

特に、注目を集めているのが、手塚プロダクションが中心となっておこなわれている「バル辛フェスタ」。同じ新宿区の高田馬場にある飲食店30店舗近くが協力し、内藤とうがらしを使った料理やドリンクを楽しめるビッグイベントなんです!

第4回を迎えた2017年にはなんと、約3100食の内藤とうがらし料理が提供されました。毎年参加するファンの方も増え、今後もますます盛り上がっていくことが期待されています。

和食、洋食、アジア料理、そしてドリンクメニューに至るまで、内藤とうがらしがさまざまな料理に大変身。どれも創意工夫がなされています。

新宿生まれの内藤とうがらしは、東京を代表するブランド野菜として注目されるようになり、2013年には江戸東京野菜にも認定されました。鷹の爪などに比べ、まろやかな辛さとだしのような旨みが特徴のこのとうがらしは、さまざまな料理や飲み物に使い分けることができます。

今回の駅弁「新宿弁当」でも、ぴりりときいた辛味はもちろんのこと、椎茸とともに口の中に広がる旨みが、アクセントとなっています。まだ内藤とうがらしを食べたことがない人も、もちろん内藤とうがらし好きな方も、まずは「新宿弁当」で東京の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

お弁当の中には、丸政さんによる新宿弁当、そして駅弁への思いがつづられています。見ながらいただくことで、旅の情景が思い浮かぶよう

オシャレ(カワイイ) ★★★☆☆
コスパ        ★★★☆☆
ヘルシー       ★★★★☆
食べやすさ      ★★★★☆

※星は5点満点

<販売情報>
「新宿弁当」
価格:1200円(税込)
主な販売駅:新宿駅、東京駅
製造:株式会社丸政(0551-36-2521)