イタリア在住たべぷろ編集部員・鈴木ココです。2月14日はバレンタインデー。この時季、日本には世界中の美味しいチョコレートが集まってくるので、どれを食べようか目移りしてしまいますね。イタリアもチョコレートの本場で、ヴェンキやカファレルなど美味しいチョコレートブランドがたくさんあります。今回は、イタリアならではの寒い冬のチョコレートの美味しい食べ方、ホットチョコレートをご紹介します。

もともとチョコレートは飲み物だった

世界中で大人も子供も大好きなスイーツのナンバーワンのチョコレートは、カカオの実を原料にして作られます。

実は、チョコレートの歴史はとても古く、南米のマヤ文明の時代からすでにチョコレートを作るためにカカオが栽培されていました。当時は神さまの食べ物とされていて、上流階級の人しか口にすることができなかった貴重品でした。チョコレートは、滋養強壮に効く薬として珍重されていたのです。

当時のチョコレートは、固形ではなく今でいうココア状の飲み物でした。カカオの実を挽いて粉にして、お湯または冷水などを混ぜて溶かしたものに、トウモロコシ粉でとろみをつけて、唐辛子、コショウなどのスパイスで風味を加えて飲んでいたそうです。

カカオの苦みと香辛料の辛さが合わさった味は、今のココアとは全く違っていて、恐らく万病に効く良薬という感じだったのでしょう。

イタリア人のコロンブスがアメリカ大陸を発見したあと、カカオの実は金などの南米の財宝とともにスペインへ運ばれてきました。スペインの宮廷では、この遠くからやってきた貴重なドリンクに砂糖やバニラを加えて、甘くて美味しく飲めるようにしたので、王侯貴族にも大人気の飲み物になりました。

スペインでは門外不出の飲み物とされたにも関わらず、美味しいチョコレートドリンクは、教会や商人を介してまずイタリアへ伝わります。そしてイタリアのフィレンツェ、ヴェネツィア、トリノなどの街で本格的に作られるようになり、フランス、スイス、オーストリアなど、ヨーロッパ中に普及していったのです。

特に、後のイタリア国王となるサヴォイア家の王様は代々チョコレートが大好きで、1560年トリノに首都を移転したときのパーティで、すでにチョコレートドリンクを振る舞ったという記録が残っています。

そのためトリノでは歴史的にチョコレート作りが奨励され、1826年には『カファレル』という工房が、ボンボンなどの一口サイズの固形のチョコレートを発売し、貴族を中心にして食べやすくなったチョコレートの人気が広がっていきました。

出典:
カファレル(英語)
トリノ市主催のチョコレート見本市(イタリア語)

ココアより断然美味しいチョコレートドリンク

イタリアはこのように長いチョコレートの歴史があるので、今でもチョコレートの都とも呼ばれるほど、たくさんの美味しいチョコレートがあります。特にイタリアの冬のお楽しみは、チョコラータ・カルダと呼ばれるホットチョコレートです。

一見、日本でいうココアのようですが、ココアよりずっとチョコレートの味も香りも濃厚で、まるでチョコレートそのものを飲んでいるかのようです。

しかも、熱々のチョコレートドリンクの上には、冷たい生クリームを贅沢にのせていただきます。かすかに苦みのある甘いチョコレートに、ほんわりと溶けて混ざっていく生クリームの柔らかくてフレッシュな食感のハーモニーが絶妙な組み合わせです。まさに冬だからこそのお楽しみ。

普段は、コーヒーが専門のバルなどでも、冬の間だけの限定で注文できます。特にチョコレートの専門店で作っているホットチョコレートは、冬にイタリアを旅行するのなら、絶対に試してみてください。持てないくらいアツアツのホットチョコレートを歩きながら飲むのも、また格別です。

ホットチョコレートの作り方

今回は、イタリアに行かなくても、家庭で本格的なホットチョコレートを楽しめレシピをご紹介します。

【材料】(2人分)

牛乳 300ml
ミルクチョコレート 50g
粉末カカオ 70g
コーンスターチ 15g
米粉 20g
砂糖 お好みで

【作り方】

  1. コーンスターチと米粉を牛乳の中に入れてかき混ぜ、しっかり溶かす。ココアも加え、よく混ぜ合わせる。
  2. チョコレートは、湯せんにかけるか、または電子レンジで溶かす。
  3. 鍋に全ての材料を合わせ入れて中火にかける。かき混ぜながら、とろりとしてくるまで温める。
  4. お好みで砂糖を加えて出来上がり。

ほんのひと手間かけるだけで、いつものココアとは全く違う美味しいホットチョコレートが家庭で楽しめます。イタリア流に泡立てた生クリームをうえにのせるのもお忘れなく。さらに美味しさがアップします。

今年のバレンタインは、大好きな人と一緒に温かいホットチョコレートを飲んで温かく過ごしてくださいね。