子育て応援ライター、テミタ夏です。小2のセガレはぶきっちょなのか、お箸を正しく持てません。矯正箸も何本か使ってみたのですが、効果が現れませんでした。
「ああ、お箸、お箸」と、気にしながら暮らしていたある日、偶然とってもユニークなお箸と出会いました。ぜひ皆さんにご紹介させていただきたく、製作会社KOKOの代表であり、このおもしろいお箸を手作りしている桑原省伺さんにお話をうかがって来ましたよ!

ハイブリッド箸は子どもも使いやすい

セガレはよくお店屋さんにつかまるのですが、その日も遊びに行った道の駅で、見事に木工細工屋さんのおじさんと仲良くなっちゃいました。

木工小物雑貨・企画・販売 KOKO代表 桑原さんです

テミタ的にはこういうシーンは「余計な出費は勘弁しろよ~」なワケで・・・場合によってはちょっと傍観しちゃうことも。ところが

セガレ「ウッヒョー!」

「ちょぃ待て、その声やめ・・・」とセガレを制止にかかり、その手元が見えた途端です。私はもう、びっくりしてしまいました。

セガレはお箸で乾燥大豆を一粒ずつつまみ上げ、お皿からお皿へ移動させて喜んでいるじゃありませんか!

うちのセガレ、かなりぶきっちょなのに、なぜ!?

磁石のくっつく力で常時開いた形に

セガレのハートを捕まえたおじさんこそ、このお箸の製作者の桑原さん。そしてセガレが易々と大豆をつまみ上げたのが「ハイブリッド箸」。特許機構を搭載した優れものです。

持ち手部分が特許機構で、磁石のくっつく力で常時開いた形になっているものの、ぱっと見は「お箸」。私が見て「お箸だ」と判断した理由は、このシンプルでスマートなデザインにありそうです。

磁石でくっついているけど簡単に外れて洗いやすそう。2本に分かれる木のスティック、まさにお箸です。

まるでトングのように、開閉操作だけで簡単に使える。練習なしで「大豆つかみ」までできちゃう。

利き手じゃなくても、変な持ち方をしてもご覧の通り。「失敗しない」んです(笑)

トングみたいに自由に使えるのに、お箸みたいに繊細な作業が可能。両方の特徴を兼ね備えているから「ハイブリッド」なんだって。

お箸とトングのハイブリッドってことは・・・いろんな人が、いろんな使い方で食事に役立てられます。

使い方に合わせてより「お箸らしく」、「トングらしく」した結果、バリエーションが生まれていったそうです。

例えばこちら、ハイブリッド箸。長さは上の短い方が20センチ、下は23.5センチです。箸置き付きで2500円~。

軽い力でつまめるので、ケガや病気で手が使いにくくなった方におすすめ。使い方がとっても簡単だから、お箸が苦手なまま大人になっちゃった方や外国の方にも使ってもらえそうです。

セットの箸置きは、持ち運ぶ時に便利なひと工夫つき。差し込むようにセットすると閉じておけるので、袋や布からマイ箸をサッと取り出して使えます。

ハイブリッド箸と同じ構造のトングもあります

こちらはトング。構造はハイブリッド箸と同じで、よりトングらしくした結果、16センチと短く太い。箸置きとスタンドのセットで3000円(税込み)。このサイズは小ぶりの漬物やお惣菜を取り分けるのにぴったりです。

トングの機能もご覧の通り、大豆つかみもチョチョイノチョイ。おうちでの食事会に、自慢のお漬物を出したい時にはトングをどうぞ。薄切りを一枚ずつ、ササッと取り分けられます。

「福祉用具」と「便利グッズ」のハイブリッド

想像してみました。私が「本当はお箸でごはんを食べたい」と思いながら、適わない状況になったとしたら。

1日3回、1年で1095回。食事のたびに諦めながら暮らすことなのかも知れない。

そんな人のための専用のお箸は、探すと他にも見つかります。でも引っ掛かりや支えが備えてあったり、一見してお箸に見えなかったり、一般の人にはむしろ使いにくいものだったりもします。

ハイブリッド箸はほとんどの人が同じように使えるお箸です。

手を使いにくい人も、自由に指を使える人も、はじめて使う人も、ぶきっちょなセガレも器用な人も。同じ品をそれぞれ自分なりに使うことができる。

「お箸とトングのハイブリッド」は、「福祉用具と便利グッズのハイブリッド」なんだ。
ハイブリッド箸を手にした人が、思い思いに、それぞれの食卓を作って行くんだな!

セガレのお箸のことばかり考えていたからでしょうか、こんな偶然の出会いが訪れました。でもセガレのお箸の練習は、まだまだです。これからも頑張って行きますよ!