近年、愛知の外食文化が大きな広がりを見せていて、レベルの高い料理が名駅、栄エリアだけでなく、郊外でも気軽に楽しめるようになってきた。有名店はソーシャルメディアを使って一発で検索できるが、隠れた名店の「本物の味」は足で稼がないと知ることは難しい。実は身近な場所にある、その本物の味を提供する外食店を不定期で紹介していく。

野菜のおいしさ、可能性を最大限に生かす

記念すべき第1回目に選んだのが愛知県春日井市にある「ル・カフェ&ダイニングサユ」だ。2011年8月にオープンした同店は、イタリアンとフレンチを中心に欧風料理を融合させた創作ダイニングレストラン。昼は小さな子どもを持つ女性、夜は家族連れが多く訪れる。昼は「ママ会」で使われることも少なくない。地元密着かつアットホームな雰囲気が支持されている。

同店は野菜にこだわり、料理に使用するのは同市近郊や岐阜県各務原市の契約農家の野菜だ。この無農薬・減農薬の新鮮野菜を生かした料理が充実し、「サラダプレート」は開店当初からの看板メニューとなっている。

20種類以上の野菜とキッシュのプレートに、スープ、パン、ドリンクを付けたセット(価格は昼1620円、夜1990円)が特に人気。バーニャカウダ、チーズフォンデュをはじめ、野菜のおいしさ、可能性を最大限に発揮させる料理が自慢。

食材選びにこだわるオーナーシェフの北村諭之氏

「野菜」がキーワードだが、それだけではない魅力がある。オーナーシェフの北村諭之氏はイタリアンの「壁の穴」で、弟の裕次氏はフレンチの「シェ松尾」で修行し、満を持して同店をオープンさせた。

オリジナリティーあふれる料理は、2人のシェフのバックボーンがあるからなせる業で、カジュアルな中に洗練されたものを感じさせる。味もさることながら、食材の選定に非常にこだわっている点が洗練性を高めている。

食後の一杯まで感動を イタリアンコーヒートップブランド「ラバッツァ」採用

ランチもディナーも「料理はもちろん大事だが、食後の一杯まで感動してもらいたい」と話す北村オーナー。開店以来、片岡物産の「ラバッツァ」をセット・コースのコーヒーに選んでいる。特に「ラバッツァ」のエスプレッソタイプ「トップクラス」を採用し、「クレマ(泡)が味わい深くて、バランスが取れた味。今まで飲んだことがないコーヒー」と太鼓判を押す。

夢は「お客さんにもっと喜んでもらえること」。その思いは食後の一杯にまで表れている。

「ル・カフェ&ダイニングサユ」
愛知県春日井市高蔵寺町4-2-1
ランチタイム午前11時~午後3時、ディナータイム午後5時30分~10時
定休日=水曜、第1火曜。

◇日本食糧新聞の2018年1月22日号の記事を転載しました。