健康意識の違いで食用油の使い方に差があることなどが、日清オイリオグループが12月18日に発表した「17年・健康と食に関する意識調査」結果で分かった。家庭用食用油の市場規模は健康価値の見直しなどで拡大傾向にあり、オリーブオイルやエゴマ油など健康感の強い食用油を積極的に摂取する動きが強まっている。調査によると、「食」で健康を志向する層は、従来使用していた食用油はそのままに、これら健康感の強い食用油をプラスして使用しているという。

意識調査は同社生活科学研究課がさまざまなテーマで定期的に実施しているもので、同テーマでの実施は12年以来。新たに70代を対象に加え、20~70代の男女2000サンプルを対象にしている。

健康に良いと思って「意識的に」利用しているものを調べたところ、さまざまな食品の中でオリーブオイルは前回と同様、5位となった。年代別にみると、男女ともに高年齢になるほど利用割合が高くなる傾向にあり、特に女性70代では58%に上ったという。

また、健康に関する設問をクラスター分析し、「健康対策完璧層」「食で健康層」「運動で健康層」「普段の食事で健康層」「意識だけ健康層」「低健康意識層」の6層に分類。

この中で健康意識の高い3層(健康対策完璧・食で・運動での各層)を対象に「健康を意識して食用油を使用している人」の使用方法を比べると、“食で健康層”は「意識する前の食用油の使用量は『特に変えず』、健康に良いといわれる食用油をプラスして使っている」声が多く、“運動で健康層”は「意識する前の食用油を『減らし』て、健康に良いといわれる食用油も一緒に使っている」の声が高くなった。

健康を食に求めるか、運動に求めるかで従来まで使用していた食用油の使用量に差が出た結果となった一方、両層ともに健康に良いといわれている食用油を使用していることが分かる。

日本政策金融公庫調査では、食の志向として“健康志向”が14半期連続で最多回答となっており、今後もその傾向が続くと推測されている。オリーブオイルやごま油、エゴマ油、アマニ油などはここ数年で市場規模を拡大しており、健康志向に加え、今後は高齢化を背景に摂取意向が高まりそうだ。

◇日本食糧新聞の2017年12月27日号の記事を転載しました。