新年を迎え、今年一年も健康で過ごせることを願って、1月7日に七草がゆを作るご家庭も多いと思います。すずな、はこべなど、七草がゆに使われる野菜は古くから決まっていますが、野菜が苦手なお子さんは七草がゆに抵抗があるかもしれません。お子さんに用意する七草がゆは、思い切って具材を変えてしまいましょう！　今回は、著者の子どもが実際に完食したレシピをご紹介いたします。

七草がゆの独特な苦み、香り…嫌がる子どもも

七草がゆはセリ、ハコベ、ホトケノザなど、日常あまり口にしない野菜を使います。葉野菜ならではの独特な苦味、青臭さなどが出やすいので、苦手と感じるお子さんもいることでしょう。七草がゆは、「食べなさい！」と子どもに無理強いする必要はありません。必ず食べなければならない－というものではありませんものね。

けれども、せっかく野菜をメインにした食べ物を食べる行事です。少しでも野菜を食べてもらえたら…というお母さんも多いことと思います。そこで、七草がゆならぬ「七野菜がゆ」を作って、味よし見た目よしのおかゆをお子さんに食べさせてあげましょう。

冷蔵庫の残り野菜もOK！にんじん、大根、ほうれん草…彩りも意識した身近な野菜を

材料はいたって身近なもので、冷蔵庫の残り野菜でもできるほど。肩肘張らずに作ることができるのが嬉しいポイントです。今回ピックアップした野菜は、お好きなように変えてもOK。お子さんが好きな野菜をいれるのもいいですし、ミネラル豊富なきのこを加えると栄養価が高まりますよ。

＜材料（子ども2人分）＞　
・にんじん　1/10本
・大根　1/12本
・白菜　1枚
・ほうれん草　1/2束
・小松菜　1/2束
・長ネギ　白い部分3cmほど
・オクラ　2本
・しょうが　1/3かけ
・にんにく　1/2かけ
・しょうゆ　小さじ2〜大さじ1（お好みで調整）
・顆粒だしの素　お好み
・卵　1個
・ご飯　茶碗1/2杯

ポイント1：食べやすい大きさ、柔らかさにする

子どもが野菜を食べるようになる裏技として、細かく切るという手段がありますよね。今回紹介するレシピでも、野菜を細かく切ることが重要になってきます。

お子さんが野菜を口にして吐き出してしまう原因は、味だけでなく食感もかかわっている可能性があります。噛みやすい大きさにすることで、抵抗なく食べられるようになるケースもあるんですよ。

鍋に水を入れて火に掛け、沸騰したら「硬い野菜」から入れていきます。レシピでいえば、「にんじん、大根、葉野菜の茎」ですね。根菜や茎は生のままでは硬いので、しっかり火を通して柔らかくしましょう。噛み切れず、いつまでも口に残ってしまうことも、子どもが野菜を食べられない原因となってしまいます。

硬い野菜が柔らかくなってきたら、長ネギ、ほうれん草、小松菜、オクラを入れてゆがきます。火は強めの中火にし、葉野菜がくったりしてきたら次のステップです。

ポイント2：味付けはできるだけ薄く、あっさりと

野菜にしっかり火が通ったら、ご飯を加えて味付けをしていきます。しょうがとにんにくをすりおろして入れます（チューブでもOKですが、すりおろしの方が香りがよく立って美味しさが増しますよ）。

具材が水を吸ったり、蒸発したりするので、こまめに水を足していきましょう。また、味付けはシンプルに、しょうゆやお好みでだしの素を入れます。溶かし卵を加えると、ふんわりとした仕上がりになるだけでなく、卵の味もついてより美味しくなりますよ。

普段濃い味付けの料理が多いかなと思うのであれば、なおさら味付けはシンプルに、薄くしましょう。お子さんに素材の味だけで食べる料理の美味しさを伝えるチャンスです。

味付けをしたら、お皿に盛りつけましょう。できたては舌をやけどする可能性があるので、少し冷ましてから食べさせてあげましょう。

七草がゆは葉野菜のみで、緑一色のできあがりになってしまいます。ですが、さまざまな野菜を使用した七野菜がゆは、赤や黄色など彩り豊か。見た目によるおかゆへの抵抗感が少なくなるはずです。

娘は「おいしい！」と言いながらバクバク

筆者は南国タイ在住のため、季節感のない格好の写真で恐縮ですが…3歳の娘に実際に食べてもらいました。娘は葉野菜が苦手で、噛み切れないとすぐに吐き出してしまうことがしょっちゅうです。しかし、七野菜がゆは自分からどんどん食べていました！「おいしい〜」「私、野菜食べているよ〜」と言いながら、もりもり。実に豪快でした。

気づけば、見事完食。途中食べ飽きたりすることもなく、最後まで自分で食べ続けました。

七野菜がゆを通じて、お子さんへの食べさせ方を意識

これまで料理をしてきたなかで、七野菜がゆは子どもの野菜の食べさせ方を一番意識した料理でした。味付け、食感などあらゆる面で工夫した結果、子どもが自分から野菜を食べられるようになったと感じずにはいられません。

七草がゆを食べる1月7日。お子さんも美味しく食べられる工夫をして、家族みんなで野菜を楽しく食べる日にしてみてはいかがでしょうか？