みたけ食品工業は、話題のもち麦と玄米から作った「もち麦甘酒」を発売した。ミネラル豊富な玄米と水溶性食物繊維が豊富なもち麦を麹で仕込み、麹の酵素の働きによって糖化された自然な風味の甘酒だ。

玄米を使った甘酒は、18年上半期の食品トレンド予測で上位にランクするなど注目されるが、まだ市場には多く出回っていない。玄米を使うことで優しい甘さと自然な風味が特徴のもち麦甘酒は、「手作り感が残る、本当の甘酒」(柳生功企画室長)と太鼓判を押す自信作だ。

同社はもともと、コメと米麹を使用した希釈タイプの甘酒を発売していたが、今回ストレートタイプの甘酒を発売するに当たり、自社の特徴を打ち出そうと考えた。もち麦がTVの情報番組に取り上げられ、健康食品として認知される中、「甘酒に『もち麦』と『玄米』を使ったら面白いのでは」と、製品化が進められた。

玄米を使った製品では、玄米発酵液や生玄米粉などを開発してきた経緯があり、自社原料の「もち麦」と「玄米」を使うことで、さらに健康志向に沿った甘酒となった。

開発を担当した丸山なつみ研究開発室主任

素材にはこだわった。原料に一手間を加えることで、もち麦と玄米のぷちぷちとした食感を残した。砂糖不使用でアルコール分はゼロ。ストレートタイプのため、希釈せずそのまま飲める。温めても冷やしても、また、豆乳や牛乳、きな粉を加えたり、果物を合わせてスムージーにも利用できる。スタンドパックの甘酒はちょうどカップ1杯の分量で、レンジで1分あたためるだけ。健康と簡便性を兼ね備えている。

味覚面では「玄米は味に雑味が出やすく、ぬかくさくなりがち。それを抑えるため、麹の配合を工夫した」(丸山なつみ研究開発室主任)。パッケージも、女性をターゲットにピンク系の色使いと文字もやわらかく和風にまとめ、売場に映えるデザインを意識した。常温保存可能なため、売場のエンドやレジ回りにも対応できる。

最近では甘酒が、飲用のほか甘味料代わりに使われているといい、スムージーやケーキ、煮物などを作る際、砂糖の代わりに甘酒を使う料理用途が増えている。

◇日本食糧新聞の2017年11月29日号の記事を転載しました。