和食文化国民会議(和食会議)は来年から、五節句の食事を促す。9日の和食月間キックオフ会見で発表した。文化保護から拡大へ転じる。調理師学校の卒業生を和食大使に任じ、継承に向けた、新たな仕組みも作る。11月24日の「だしで味わう和食の日」給食の実施校は6000超と前年から倍増し、初めて全ての都道府県で行う。役員や会員による出前授業、記念イベントなどを行い、地域や家庭への浸透を加速する。

1月7日の人日(じんじつ)の七草がゆ、3月3日上巳(じょうし)のちらしずしといった行事食を再確認してもらい、普及する。会員企業・団体とともに量販店や外食、中食、給食チャネルへ働きかけ、コンビニの採用などを目指す。プロジェクトチームを立ち上げ、全国の料理人が同時に調理するなどのイベントを行う。

大使は「和食ヤングアンバサダー」制度とし、18年4月の調理師養成学校の卒業生15万人に導入し、対象を広げる。スマートフォンなどの携帯端末で会員証を提供し、全国の和食行事、講座などを案内する。飲食店、施設での特典も用意。和食の歴史や食材、郷土食などの文化に触れる機会を増やす。

「だしで味わう」は小中学校、保育園の給食を和食の献立にし、汁物をだしを取ったすまし汁などにしてもらう。活動3年目で情報拡散と地域での共有が進み、6132校153万8000人が参加する。前年の3069校80万人から倍増し、20年の2万校目標へ弾みをつけた。

24日の記念日には伏木亨会長、村田吉弘副会長が東京都港区の港南小学校で授業するなど、講師を全国へ派遣。和食ブックレット『和菓子と日本茶』の発行、映画「千年の一滴 だし しょうゆ」の上映会、「1204和食セッション」などを行い、11月の和食月間を盛り上げる。

◇日本食糧新聞の2017年11月15日号の記事を転載しました。