赤や黄色に突出した抗酸化力!「カロテノイド」の効率的な食べ方
いま大変注目を浴びているフィトケミカル(ファイトケミカル)があります。それは、「カロテノイド」といわれる天然色素の一群です。フィトケミカルとは、植物中の化学化合物で、植物が紫外線の害や虫などから自らを守るために作り出した物質。フィトケミカルは植物の色や香り、アクなどの成分を形成し、主に果物や野菜に含まれています。栄養学の世界では、ビタミンやミネラルといった栄養素以外の成分=機能性成分として、第7の栄養素と呼ばれ脚光を浴びています。
ビタミンCの6000倍の抗酸化力をもつアスタキサンチン
フィトケミカルは強い抗酸化力が期待され、加熱調理でも破壊されることがなく、また生でも摂取可能です。約10,000種類以上あるといわれていますが、中でも昨今注目を浴びているのは「カロテノイド(カロチノイド)群」。
「カロテノイド群」は動植物に含まれる赤や黄色の色素成分の総称で、約600種類以上存在するとか。優れた抗酸化作用だけではなく、多岐に渡る効果が期待されています。
特に、「カロテノイド」の一種であり、突出した抗酸化作用をもっている「アスタキサンチン」は、近年非常に人気となっています。その抗酸化力はβカロテンの5倍、ビタミンEの1000倍、ビタミンCの6000倍ともいわれるほど。
美容や健康維持に欠かせないカロテノイド
「カロテノイド」は様々な植物や果物に含まれており中には魚介類に含有するものもあります。以下にカロテノイドの種類と、それぞれの効能や食材をまとめました。
βカロテン
期待される効果:粘膜の保護や美肌、ガン予防や抑制
含有している主な食材:緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー、トマトなど)、みかんなどの柑橘類、すいかなど
リコピン
期待される効果:血流の改善、生活習慣病の予防・改善、肥満予防、美肌
含有している主な食材:トマト、スイカ、グァバ、ピンクグレープフルーツ、杏子
*ただしトマトの場合、完熟しているものの方が多く含み、トマトペーストやトマト缶など、加熱処理をしたものの方が吸収しやすいといわれています。
ルテイン
期待される効果:白内障予防・改善、炎症抑制、美肌、アイケア(視界のゆがみや飛蚊症が気になる方、黄斑変性症予防や改善)
含有している主な食材:緑黄色野菜(ほうれん草、にんじん、かぼちゃなど)、植物の緑葉
*ルテインは体内においてはゼアキサンチンと一緒になって効果を発揮するため、ゼアキサンチンと一緒に補うことが大切であるといわれています。
ゼアキサンチン
期待される効果:黄斑変性症予防、白内障予防
含有している主な食材:緑黄色野菜(パプリカやほうれん草など)、とうもろこし、パパイヤ、乾燥したスピルリナなど
アスタキサンチン
期待される効果:眼精疲労の改善、眼疾患の予防、強力な抗酸化作用、動脈硬化やメタボリックシンドロームの予防、筋肉の疲労の軽減、美白・美肌効果
含有している主な食材:鮭、イクラ、カニ、エビ、ヘマトコッカス藻
β-クリプトキサンチン
期待される効果:骨形成の促進、骨代謝の改善、骨粗しょう症の予防、糖尿病の進行抑制、免疫力の向上、美肌
含有している主な食材:温州みかん、でこぽん、ぽんかん、パパイヤ
*喫煙や飲酒、肥満などによって体内のβ-クリプトキサンチンが減少するという報告もあるので要注意!
カプサイシン
期待される効果:肥満予防、血流改善、高血圧防止、冷え性改善、食欲増進、疲労回復、便秘解消
含有している主な食材:唐辛子やししとうなど。唐辛子の辛さの素となっています。
フコキサンチン
期待される効果:活性酵素の増加抑制、動脈硬化・脳卒中や心筋梗塞など心臓血管系の病気の予防、メタボリックシンドロームの予防、糖尿病予防
含有している主な食材:昆布、ワカメ、アラメ、牡蠣、ホヤ
カロテノイドは油と一緒に摂取を
1種類のカロテノイドではなく、いろいろな種類の複合したカロテノイド摂取がよいといわれています。
カロテノイドは脂溶性のため、油と一緒に摂取すると、効率的に吸収してくれるとか。炒めたり、ドレッシングやソースに良質な油を使用して一緒に食べたりと良さそうです。また、健康的な脂質を含むアボカドと一緒に食べることで、カロテノイドの吸収促進の研究報告もされています。
米国オハイオ州オハイオ州立大学のSteven Schwartz博士のグループは、健康な成人11人に対して、サラダやサルサ料理にアボカドを加えることによるカロテノイド吸収率を比較、吸収に優位性が見られたと発表しています。
現在もさまざまな研究が進んでおり、今後もさらに注目が集まりそうです!
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