関西で生まれ育ったので自分は薄味好みだと思いつつ、年齢とともに塩分摂取量が気になってきた調味料研究家・松本葉子です。しかも、夫は健康診断で血圧が高いと指摘され…。私の料理を食べてるのにどうしてよ?!と思いつつも以前より減塩調理を心がけるようになりました。
そんなわが家で大いに役立っているのがスプレー容器です。気軽に美味しく減塩したい方におすすめのスプレー容器活用法をご紹介したいと思います。

「かけすぎ」「つけすぎ」を防いでくれるスプレー容器

医師から塩分制限を指導されている方は、毎日の塩分摂取量を計算するなどして、シビアに管理していくことが必要です。

しかし、健康増進のために、今より少し塩分摂取量を減らしたいという方なら、まず塩や醤油の「かけすぎ」「つけすぎ」を防ぐことから始めてみてはいかがでしょうか。

下の写真は醤油用のスプレー容器として販売されているものです。

左はダイソーの製品で「1押し約0.1ml」との表記。100均の商品なので気軽に使えます。右は滋賀県の醤油醸造元である丸中醤油の製品で「一回の噴霧量は、0.14ml」とのこと。シックなデザインの陶器製で遮光性と安定感があります。

うちでは醤油用のスプレーはこの2種類を使っています。

スプレーは使う人のくせによっても噴霧量に差がでますが、それでも1プッシュ0.2ml程度と思っておけば塩分摂取量の目安になります。

丸中醤油のスプレー瓶で紙にスプレーしてみるとこんな感じ。左は近くから、右は少し離してスプレーしています。慣れるまではどのような角度でどのくらい離してスプレーすればうまく拡散するかを試してみるとよいでしょう。

均一に味がつけられて減塩につながる「水塩」

「水塩」とは日本料理で使われる調味料で、塩を水に溶かしたもの。
料理店では、塩を煮溶かして卵白を使ってアクをひいてから使ったりしますが、家庭ではそんなことをするのは面倒。また一度に大量の水塩を作るのも現実的ではありません。

なので、単に水に塩を煮溶かすだけで良いでしょう。煮溶かした後、冷ましてからコーヒーフィルターで漉すという作り方もあります。

水塩は、用いる塩と水によってかなり味に差がでますが、基本的には、ミネラル分の多い天然塩を軟水に溶かすと旨みをよく感じる水塩になるようです。

塩分濃度については、塩50gを使うとすると、水は150ml~1リットルまで好みで。
150mlであれば、ほぼ固形の塩の代わりという感じですし、1リットルなら薄味つけや材料を漬け込んで味をつけるのにも適します。

水塩を作ったら、まずは手のひらにスプレーして塩むすびを作ったり、ドレッシングの代わりに野菜にスプレーしたり揚げ物にスプレーしてみると、その効果がよくわかりますよ。
カルパッチョの味付けにもとても便利です。

醤油をスプレーすることでおいしく味わえるものも

にぎり寿司の中でもトロなど脂がのったネタはつい醤油をかけすぎてしまいますが、スプレーならそれが防げます。醤油がつけにくい軍艦巻きにもスプレーは効果的。

また、自家製のポップコーンの味付けや、おかきがひと味足りない?と感じた時などにも醤油をごく少量スプレーするとぐんと旨みが増しますよ。

好みの醤油をスプレーボトルに入れて使ってみましょう。

アレンジ調味料スプレーもおすすめ!

トップ画像は、水塩にローズマリー、唐辛子、昆布を漬けたもの。香りや旨みがプラスされることで、より塩分を控えめにしても満足感が得られます。醤油ならニンニク、生姜、乾椎茸、昆布などを漬けるのもおすすめです。

ただし、なにかを漬け込んだ時は冷蔵保存が基本。そしてできるだけ早めに使い切るようにしましょう。

別の容器で具材を漬け込んだ醤油をスプレーボトルに移して使うのがおすすめですが、スプレーボトル内で直接漬け込む時は、具材をみじん切り、細長く切るなど、取り出しやすい形状にしておくのがポイント。唐辛子は金串などを使うと取り出しやすいです。

家庭の食卓用だけでなく、携帯調味料としても便利

小さなスプレーボトルを使って携帯用の水塩/醤油スプレーを作るのもおすすめです。外食時、塩や醤油のかけすぎを防ぐのに役立ちます。

また、おしゃれなスプレーボトルを使ってプレゼント用に作ってもよろこばれますよ。

塩分が気になる方、スプレー容器を使ったこんなお気軽減塩法も試してみてはいかがでしょうか?