果実加工品など製造の寿高原食品は、長野県産の野菜・果実を使った家庭用調味ソース「食べる信州」シリーズ2品を発売した。同社の展開は業務用の果汁やジャム、ピューレなどが中心で、今後は「より独自性を打ち出せる一般市場に向けても、多様化するニーズに応じた高付加価値型のアイテムを充実させていく」(水井寿彦取締役)方針だ。

9月11日から、長野県の情報発信拠点「銀座NAGANO」(東京都)で先行販売している「リンゴとキノコのソース」「トマトミックスソース」(瓶入り、165g)は、県の地域資源製品開発支援センターの協力で商品化した。

いずれも、カットやペーストにした県産のリンゴやトマト、エリンギ、ブナシメジ、アンズなどを原料に、「素材にこだわった、食べ応えのある食感」(商品開発室)を訴求。「リンゴとキノコ」は、リンゴ酢で「さわやかな酸味」に、「トマトミックス」は、信州味噌や香辛料で「豊かな味わい」に、それぞれ仕上げた。

肉料理やフライのソース・たれ、麺類のトッピング、ピザなど、幅広いメニュー用途を提案している。希望小売価格は税別500円。

今後はシリーズの拡充も視野に、土産物系や百貨店など「商品特性を的確に提案できる」販路を開拓したい構え。9月25日に県庁で開いた発表会で水井取締役は、「家庭用ラインアップで中心の瓶ジャムは、マーケットが縮小傾向にある。信州の豊富な野菜素材などを使いながら、果実加工の豊富な経験と実績を生かしたオリジナル商品で市場開拓を進めたい」と説明した。

◇日本食糧新聞の2017年9月29日号の記事を転載しました。