梅干しのトップメーカー、中田食品がこのほど、梅花女子大学(大阪府茨木市)と凸版印刷と連携し、同大生が考案した「梅豆乳鍋つゆ 梅なでしこ鍋」を商品化。27日からイオンリテールが展開する全国のイオン各店で発売する。

同品は2015年後期に同大の「ビジネスマネジメント」授業の一環として実施した産学連携ワークショップで誕生。中田食品が課題としていた若い女性をターゲットとした梅の新商品開発について、凸版印刷による商品企画・開発ノウハウのサポートを受けながら、同大の食文化学部食文化学科の学生が考案し、イオンと4者合同で商品開発を進めていた。

「梅豆乳鍋つゆ 梅なでしこ鍋」(600g、希望小売税別400円)はイソフラボンが豊富で美容効果も注目される豆乳と、紀州産南高梅を組み合わせることで、爽やかな酸味とまろやかの中にもさっぱりとしたコクのある味わいに仕上げている。女性をターゲットにした新感覚の鍋つゆ。

鍋を楽しんだ後の締めには、同社が販売する南高梅を使用して塩分5%のさっぱりとしたやさしい味に仕上げた梅干し「梅なでしこ」をプラスしたチーズリゾットを推奨している。

開発に携わった学生は「梅干しは夏は売れるが冬に消費量が落ちてしまう。そこに着目して冬でも売れる商品をと、若い女性の視点で考えた。美容・健康のイメージが強い豆乳に梅を加えることで、女性は手に取りやすいはず」と力を込めた。

スタンドパウチのストレートタイプで少人数世帯増加への対応として、容量は2~3人前の600gを採用。イオン各店では主に梅干し売場で陳列される予定で、漬物と鍋つゆという画期的な関連販売にも注目が集まる。中田吉昭社長は商品発表会で「多くの人の力の賜物。この鍋つゆのおいしさを多くのお客さまに知ってもらい、お買い上げいただけることを願う」と述べた。

発売を記念して、学生による店頭での試食販売やアレンジレシピ紹介などのプロモーションを実施する予定。

中田食品と梅花女子大学、凸版印刷の3者によるワークショップは、同社が課題としていた若い女性層をターゲットとした新市場創造のための新商品開発と、実践的な学びの機会を重視する大学側の要望が合致し、もともと両者と関わりのあった凸版印刷がサポートすることで、15年8月に産学連携協力が合意された。学生のアイデアを製品として具現化することを目的として、複数回のワークショップを重ね、今回の商品化・発売に到った。

◇日本食糧新聞の2017年9月25日号の記事を転載しました。