東京駅に国内最大級のイタリアンフードマーケットが登場–。三井物産などが出資するイータリー・アジア・パシフィックは8月30日、東京駅構内の新たな商業施設・グランスタ丸の内に「EATALY(イータリー)グランスタ丸の内店」をオープンした。日本橋三越店に次ぐ2店舗目となり、店舗面積は約450平方m、約110席のレストランを併設。国内初の品揃えや企画を多数用意し、本場イタリアの魅力を訴求する。

厳選した600種類の食材や150種類以上のワインなどを品揃え

「イータリー」はイタリア食材の販売コーナーとレストランを併設した、イタリア発の総合食品マーケット。「食べる、買う、学ぶ」をコンセプトに、新たなイタリアンフードの体験の場を提供する。

グランスタ丸の内店では、イータリー専任バイヤーがイタリアにある2000以上の小規模生産者から厳選した600種類の食材(パスタやチーズ、生ハム、オリーブオイルなど)や150種類以上のワインなどを品揃え。

首都圏の若手農家が生産する珍しいイタリア野菜も販売するほか、店内では伝統的なナポリ風ピッツァを焼き上げる様子や生パスタの手打ちなども楽しめ、本場の食材から作る過程が学べる。

日本初の試みとして、シチリアの伝統菓子・カンノーリを実演販売する「カンノーリバー」を設置。サクサクした筒状の生地の中にリコッタチーズクリームがたっぷり詰まった菓子で、話題を集める手土産に最適。価格は500円。

また100年以上の歴史を持つイタリアの老舗コーヒーブランド「ヴェルニャーニョ」のエスプレッソを提供するカフェ、ジェラートや現地の人気ブランドのチョコレートの量り売りを設置するなど、日本ではここでしか味わえないイタリアンフードを多数用意。

併設のレストランではパスタやピッツァ、肉や魚料理、アンティパスト、スープ、フリットなど豊富なメニューを揃えた。丸の内周辺で働く人から、観光客や出張などで東京駅へ訪れる人のさまざまなニーズに応える店舗を目指す(営業時間は午前7時~午後11時)。

オープニングレセプションでは、テープカットならぬ”パスタカット”を実施。店内で製造する生パスタを使った新店恒例の催し

1日、店舗に関係者が集ってオープニングレセプションを開催。イータリー・アジア・パシフィックの甕浩人社長は「イータリーは中小含むイタリアの優れた生産者の食材をひとつ屋根の下に集め、世界中へ広げていくのがミッション。新店はイタリアのおいしさと楽しさを集め、満足していただける店舗を目指した」と抱負。

三井物産の飯島彰己会長は「イータリーは世界各国で新店をオープンするたび、その店にふさわしいテーマを設けると聞く。グランスタ丸の内店は“Viaggio”で、旅をテーマにしている」とし、多くの人々が行きかう東京駅の立地を生かした店舗展開に期待を寄せた。

イータリーは20年までに、都心で旗艦店となる大型店をさらに出店する計画。グランスタ丸の内店の売上げ計画は7億円に設定し、20年には旗艦店・日本橋三越店と合わせて30億円の年間売上げを目指す。

◇日本食糧新聞の2017年9月6日号の記事を転載しました。