お酒の講座に来ていただく方から「バーに行ってみたいけど、敷居が高くてなかなか行けない」「どこのバーがおすすめですか?」「バーで〇〇を頼んでもいいの?」というようなバーに関する声や質問をたくさんいただきます。
私はセミナーや講座、バーのカウンターでお酒の楽しみ方をいろいろな角度からご提案しています。そのひとつの方法として、ぜひ一度バーに足を運んでみていただきたいと思っています。家で気楽にお酒を楽しむのもよいですが、たまにはちょっとおしゃれにバーでお酒を飲むことも私はぜひおすすめしたいのです。

初めてでも安心!プロが教えるバーの使い方

バーという場所は、レストランや居酒屋と違う独特な雰囲気がありますね。お酒の味わいは、その商品の味と共に飲む場所や相手によっても感じ方が変わりますので、バーならではの雰囲気の中でお酒を飲むといつもと違ったお酒を楽しむことができると思います。

バーは『お客さまが主役でお酒を楽しむ場所』です。バーに行く時には、バーでの楽しみ方について少し知っておけば、訪問する前の不安が減って、安心・リラックスして楽しめます。バーによってさまざまな個性がありますので、自分好みや感覚に合うバーを見つけられたらお酒の楽しみもぐんと広がりますね。

バーを選ぶ時 ~初めてなら「ホテルバー」~

バーといってもさまざまなバーがあります。目的や相手によってお店を使い分けできると、“素敵な大人”と見られそうですね。自分に合ったタイプのバーを見つけるために知っておきたいことをまとめました。

<Q1>バーはどうやって選ぶ?

初めてバーに行く場合、私は「ホテルバー」をおすすめしています。その理由は何と言っても“安心感”です。ホテルのバーは、ホテルブランドのイメージと近い雰囲気で作られることが多いので、初めて行く場合でも雰囲気を想像しやすいのです。そして会計も明朗です。事前にウェブサイトなどでメニュー内容、チャージがあるかないか、など詳しい情報を見られる場合も多いので予算も想定することができます。これも大きな安心感につながります。
そして、次に別のバーに行きたいときには、訪れたバーのバーテンダーに、行ってみたいバーのイメージを伝えて紹介してもらうのもよいと思います。

<Q2>テーブルチャージって?

一般的には「席料」といわれるものです。飲食代金の他に、バーの席に座ったら自動的にかかる料金のことです。チャージを取らない店もあれば、500円、1,000円、2,000円などさまざま料金体系があります。早い時間はテーブルチャージをとっていない、というバーもあります。あくまでそれぞれのバーの方針ですので、バーの良しあしとは無関係です。初めて行く場合は、テーブルチャージがあるかないかは、事前に確認しておく方がよいでしょう。

<Q3>バーってどんな種類があるの?

オーセンティックバー
オーセンティックとは「本物」「正統」という意味でトラディショナルなスタイルを表す言葉です。格式を重んじ、本格的なバーカウンターがあり、バーテンダーも熟練者が多い、そんな雰囲気のバーです。

ダイニングバー
バーでありながらフードメニューも充実しています。比較的カジュアルな雰囲気で食事もできるので幅広いシーンで利用することができます。

ミュージックバー
ジャズ、ロックなど特定の音楽を流したり、ピアノやバンドなどの生演奏が入ったりしてお酒と一緒に音楽も楽しめるバーです。

アミューズメントバー
ダーツバー、プールバー、ゴルフバー、マジックバーなど、お酒を飲みながら楽しめるエンターテインメントやアミューズメントがあるバーです。

専門性の高いバー
特定のお酒や希少性のあるお酒などを中心にして提供しているバー。そのお酒が好きなお客さまが集まることが多いです。「ウイスキーバー」「テキーラバー」「日本酒バー」「ワインバー」などがあります。

<Q4>予算はどうみればいいの?

ウェブサイトなどでメニューのおおよその価格を確認しておきましょう。一般的なカクテルはいくらか?ウイスキーシングル1杯はいくらか?テーブルチャージ・サービス料があるのか?といったポイントをおさえておくと、行く時間や相手によって飲む杯数を想定して計算することができます。

行ってみたいバーを探してみましょう

バーに行く前の準備 ~事前の調査は大切~

さて、行きたいバーが見つかったら、行く前の準備をしましょう。

<Q5>予約をした方がいいの?

予約ができるバーであれば、予約をして行く方がよいです。特に小さいバーの場合、行ってみたら席がない、貸し切り営業、急にお休みしているということもあります。予約する際には、人数や時間以外にどんな目的で行くのか、予算があれば遠慮せずに伝えておきましょう。そうすれば、バーテンダーはお客さまの雰囲気を想定して、席の場所を選び、どんなメニューをおすすめするかを考えてお迎えすることができます。その場であれこれ注文するよりも、スムーズにその場に合ったお酒をすすめてもらうことができるでしょう。

<Q6>どんな服装で行けばいいの?

ホテルバーの場合には、ホテルの雰囲気に合わせた服装で行くようにしましょう。かしこまり過ぎる必要はありませんが、Tシャツや短パン、サンダルなどで行くのは控えるのが無難です。街のバーの場合も、バーの雰囲気に合わせた服装を考えてみましょう。ドレスコードがある場合もありますので、調べてわからない場合には、電話などで問い合わせてみましょう。

<Q7>1人で行ってもいいの?

1人でバーを利用しても全く問題はありません。しかし、初めて行くバーに1人で行くのは少し勇気がいりますし、バーテンダーも初対面なのでなかなか話しかけにくいこともあるでしょう。早くバーの雰囲気に慣れてリラックスするためには、気の合う相手と行く方がおしゃべりしながらお酒を楽しむことができていいかもしれませんね。

<Q8>事前に確認することは?

初めて行くバーの場合、場所、営業時間、定休日、席数、メニューの種類と料金、チャージの有無といった基本情報は、必ず事前にチェックしておきましょう。それ以外にも、インターネットで口コミなどを見ておくと、みんながおすすめしているメニューや店内の様子などがわかります。
地図サイトでは、店内の写真や周辺の様子の写真も見ることができる場合があります。特にわかりにくい場所にあるお店の場合には事前に写真で確認しておくと迷わずお店にたどり着けるでしょう。

バーに行く前にはいろいろなことを調べておきましょう

バーでの楽しみ方 ~思いやりをもった振る舞いがスマート~

実際にバーに行ってから楽しむために知っておくと役立つこと、よく質問されることをご紹介します。

<Q9>カウンターとテーブルどちらがいいの?

行く相手や目的によって選ぶとよいでしょう。少人数でおいしいお酒を楽しみたい、バーテンダーとの会話を楽しみたいなら「カウンター」、一緒に行く仲間同士の会話やコミュニケーションを楽しみたいのであれば会話のしやすい「テーブル」を選ぶとよいでしょう。

<Q10>おすすめメニューをきいたら失礼なの?

失礼なことはありません。しかし突然おすすめを聞かれるとバーテンダーも困ってしまいます。なぜかというと、初めて会ったお客さまの場合には、お客さまのことがまったく分からないからです。お好みの味(甘いタイプ、すっきりしたタイプ等)、普段飲んでいるお酒の好みなどを伝えていただけると、バーテンダーとしてはおすすめしやすいのでとても助かります。

<Q11>メニューが置いていないお店でメニューをお願いしたらいけない?

そんなことはありません。遠慮なく「メニューを見せてください」と声をかけましょう。

<Q12>自分の好みはどう伝えたらいいの?

甘い、フルーティー、すっきり、ミルキーなど好きな味のタイプや、以前に飲んでおいしかったお酒・カクテル、苦手な味、飲みたいアルコール度数のイメージなどを伝えるとよいでしょう。

<Q13>カクテルについている飾り(ガーニッシュ)は食べてもいいの?

食べられるものはすべて食べて構いません。最初に食べても、カクテルを飲みながら食べても、最後に食べでもタイミングは自由です。

<Q14>バーテンダーと仲良くなるには?

気軽に話しかけてみましょう。初めてならそのことも伝えて会話を始めてみましょう。会話のフィーリングが合う、会話の中からあなたの好みを聞き出して、おいしいお酒をすすめてくれるようなバーテンダーを見つけることができたら、そのバーに通いたくなりますね。

<Q15>スマートにバーを使うには?

誰かと一緒にバーに行った時には、スマートに過ごす姿を見せたいですよね。バーという場所は他のお客さまもいる空間なので、他人(バーテンダーを含む)に対して「迷惑をかけない」「思いやる」という気持ちが基本です。
例えば、店内で携帯電話での通話はしない(話す時にはお店の外に出てしましょう)、写真を撮る時には「写真を撮ってもいいですか?」と確認してフラッシュは使用しない、タバコを吸う時には喫煙席であっても隣の人にひと言声をかけてから吸う、満席の時には席をずれて席を空ける、バーテンダーがお酒を真剣につくっている時は話しかけない、バーテンダーを独占しない、など。気持ちよくお酒を楽しむためには、一緒の空間に居る人に対する心配りを忘れないようにしましょう。

<Q16>お会計は?

バーでは座っている席で支払いをするお店が多いですが、入口付近にレジがある場合もあります。わからない場合は、まずバーテンダーに「お会計お願いします」と伝えましょう。複数人数の場合には、1人がまとめて支払うのか、割り勘なのか、支払方法(現金・カード等)をはっきり伝えましょう。