私はバーテンダーの時も、講座でお酒について教えている時も、いつも「お酒は楽しく飲んでいただきたい」と考えています。そのためには少しお酒の知識があると、飲んでいるお酒のことが分かったり、どんな場面でどんな風に飲むのが自分に合っているのか分かったり、さらにおいしく楽しめると思っているのです。

ウイスキーはハードルが高い?

そして「ウイスキーって、飲みにくい」とウイスキーに対してハードルが高いイメージを持っている方が多い、という話をよく聞きます。その理由をいろいろな方から詳しく聞いてみると、ウイスキーについて勘違いしていることも多く、「ウイスキーについてもっと知ってもらえたらハードルが下がるのに」と感じることが多くあります。

そんな方のためにも、今回は、特にウイスキーについてよく質問される内容をご紹介することにしました。ウイスキーを買う時、楽しむ時に知っておいていただきたい基礎知識です。周りの人に話したら、「ウイスキーについて詳しいね!」と感心されるかもしれませんね。

※ウイスキーについて、特に女性の方におすすめポイントは、以前の記事【女性にやさしいお酒「ウイスキー」3つの魅力】でもご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

ウイスキーの基礎知識に関する疑問

まずは、お酒としてのウイスキーについての基本から。つい個々の商品について知りたくなりがちですが、実はここが大切です。ウイスキーをたくさん飲んでいる方でも、意外に知らないこともあるかも!?

<Q1>ウイスキーはお酒の中でどの分類に入るの?

お酒は大きく分けると「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つに分類されます。ウイスキーはその中の「蒸留酒」です。醸造酒は、ビールやワイン、日本酒のように原料を発酵させて作られたお酒でアルコール度数が低いものを指します。蒸留酒は、醸造酒に「蒸留」という工程を加えてできたものです。ウイスキー、ブランデー、ラム、ジン、ウオッカ、焼酎などがこれにあたりアルコール度数は40度前後と高めです。

<Q2>ウイスキーの定義は?

細かくは、各国の法律で定められている基準によりますが、大きな意味での「ウイスキー」という場合には、「大麦麦芽、大麦、小麦、トウモロコシなどの穀類を原料とし、醸造(糖化、発酵)、蒸留を行い、木製の樽に入れて熟成させたお酒」と理解しておけばよいでしょう。

<Q3>ウイスキーの原料って何?

ウイスキーの原料は「穀物」と「水」と「酵母」です。穀物は、大麦麦芽(モルト)、とうもろこし、小麦、大麦、ライ麦など穀物(グレーン)が用いられます。

<Q4>ウイスキーの名前の由来は?

ゲール族の言葉で「生命の水」=ウシュクベーハーという言葉から、時代の経過と共に「ウスケボー(アスキボー)(Usquebaugh)」→ウショク(Uisge)→ウスキー(Usky)→「ウイスキー(Whisky・Whiskey)」になったといわれています。

<Q5>世界5大ウイスキーって?

世界のウイスキー産地を大別して、世界5大ウイスキーという分類方法があります。「スコッチウイスキー」「アイリッシュウイスキー」「アメリカンウイスキー」「カナディアンウイスキー」「ジャパニーズウイスキー」の5つです。世界では、他にもインド、台湾、イングランド、フランスなど多くの国でウイスキーが作られています。

<Q6>WhiskyとWhiskeyの違いは?

「スコッチ」「カナディアン」「日本」はWhisky、「アイリッシュ」「アメリカン」はWhiskeyという綴りを使った製品が多いようです。また創立者などの出身地によって異なる場合もあるようです。

世界5大ウイスキー

ウイスキーの種類に関する疑問

ウイスキーは種類が多すぎて「どれを選んでいいかわからない」という話もよく聞きます。ここもまず基本から知っておくと、整理して覚えることができます。

※ウイスキーの種類については、【ボトルの裏ラベルを見てみましょう…プロが教えるウイスキーの選び方】の記事で、ラベルの読み方から詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

<Q7>ウイスキーってどんな種類があるの?

大きな分け方として、原料によって分類されます。大麦麦芽のみを原料とする「モルトウイスキー」、とうもろこし、小麦など穀物を原料とする「グレーンウイスキー」、それらを混ぜ合わせた「ブレンデッドウイスキー」の3種類です。

<Q8>シングルモルトウイスキーってどんなウイスキー?

大麦麦芽のみを原料として「モルトウイスキー」の中でも、1カ所の蒸留所のみで作られたウイスキーのことを「シングルモルトウイスキー」と呼んでいます。蒸留所の個性が出やすいといわれています。

<Q9>シングルカスクウイスキーってどんなウイスキー?

1つの樽からの原酒のみを瓶詰したものを指します。樽の個性が直接的に出るといわれています。

<Q10>バーボンウイスキーってどんなウイスキー?

「アメリカンウイスキー」の中の1つの分類です。アメリカのケンタッキー州バーボン郡で生まれたウイスキーで、「原料の穀物はトウモロコシを51%以上使用し、80度以下で蒸留し、さらに内面を焦がしたホワイトオークの新樽で、アルコール度数62.5度以下で熟成したもの」というのがアメリカの法律に定める定義です。2年以上熟成させると「ストレートバーボンウイスキー」を名乗ることができます。

<Q11>スモーキーなウイスキーってどんなウイスキー?

「スモーキー」とは燻製のような芳しい香りを指します。原料の大麦麦芽に熱を加えて発芽を止める工程で、アイルランドやスコットランドでは、熱源として「ピート(泥炭)」が一部使用されています。
このピートを焚いた煙で乾燥させた麦芽を使ったウイスキーには独特なスモーキーフレーバーがつくのです。スコットランドのアイラ島は、スモーキーフレーバーの強いウイスキーが数多く作られていることで有名です。近年は「ピーテッドモルト」という特別なウイスキーも登場しています。

<Q12>ラベルによくある数字「12年」「18年」というのはどういう意味?

使用された中で、樽熟成の期間が最も短い原酒の年数を示しています。例えば、表示に「12年」とある場合は、用いられたモルトウイスキー、またはグレーンウイスキーの熟成期間が最低12年以上であることを意味しているのです。

ウイスキーにはさまざまな種類があります。※透明な物は熟成前のウイスキー「ニューメイクスピリッツ」です。

ウイスキーの楽しみ方・保管方法に関する疑問

ウイスキーを買ってみたけど、その後どうしよう?とならないために、保管方法も知っておきましょう。最近よく聞かれるのは「昔から長い間飲まないで保管していた古いウイスキーは飲めるの?」という質問。答えは『大丈夫』です。決して捨てずに、昔の話をしながら楽しんでみましょう。
※ただし、変な臭いがしたり、封から液漏れしているような場合は飲まない方がよいでしょう。

<Q13>ウイスキーの代表的な飲み方は?

ストレート、ロック、オン・ザ・ロックス、水割り、トワイスアップ、ハイボール、ミスト、ホットウイスキー、ウイスキーフロートなどがあります。お好みの温度、飲むペースなどTPOに合わせて飲み方を変えてみるのも楽しいですね。

<Q14>シングルってどの位の量?

シングルは1オンス(約30ml)です。他にウイスキーでよく使われる単位として、ダブルは2オンス(約60ml)、ジガーは通常1.5オンス(約45ml)です。最近では、いろいろな種類のウイスキーが楽しめるようにハーフショット(約15ml)、テイスティングショット(約10ml)という少量で提供するお店も増えているようです。

<Q15>長く貯蔵したウイスキーほどおいしいの?

一般的には、樽で貯蔵した期間の長さに比例して熟成が進み、まろやかさや深みが増していくといわれています。しかし原料や作り方、貯蔵している環境などによって、熟成のピークを迎える時期は異なります。ブレンダーはそれぞれのウイスキーのピークを見極めることが大きな仕事のひとつです。

<Q16>賞味期限はあるの?

賞味期限はありません。ウイスキーはアルコール度数が高いため、保存状態がよく未開封であれば、長期間安定した品質を保つことができます。法律でも製造日や賞味期限表示は省略できることになっています。

<Q17>どこで保管すればいいの?

できるだけ光(紫外線)に当てないこと、そして温度変化が激しい場所や、振動が多い場所は好ましくありません。また、ボトルを横にするとコルク栓が劣化する場合もありますので、立てて保管しましょう。
開封後はできるだけ空気に触れさせないように、キャップをしっかりと閉めておくのが大切です。香りを保つには瓶内の空気接触を少なくし、ボトルの半分以下になったら清潔な小瓶に移して保管するのもよいでしょう。

<Q18>ウイスキーのボトルは冷凍庫に入れても大丈夫ですか?

大丈夫です。アルコール度数の高い(40度以上)のウイスキーは冷凍庫に入れても凍ることはありません。

少なくなったウイスキーは小さな瓶に入れて保存